物理層

マルチモードファイバーとは?規格OM1~OM5を比較を徹底紹介します!

「マルチモードファイバーとシングルモードファイバー、どちらを選ぶべき?」
「OM1、OM3、OM5の違いって何?」
「マルチモードファイバーの伝送距離やコストは?」

ネットワーク構築を考える際、多くの人がこうした疑問に直面します。

特に、データセンターやオフィスのLAN環境では、適切な規格選びが通信の安定性やコストに大きく影響します。

本記事では、マルチモードファイバーの基礎から最新規格、導入時のポイントまでを徹底解説。

初心者にもわかりやすく、実践的な情報を提供します。最適な選択をするために、ぜひ最後までお読みください!

外資系エンジニア

この記事は以下のような人におすすめ!

  • マルチモードファイバーとは何か知りたい人
  • シングルモードファイバーとマルチモードの違いが分からない
  • OM規格の違いが分からず、最適なものの選び方を知りたい

マルチモードファイバー(MMF)とは

マルチモードファイバー(MMF)は、光通信において一般的に使用される光ファイバーの一種です。

特に、短距離のデータ伝送に適しており、データセンターや企業のLAN(ローカルエリアネットワーク)などで広く利用されています。

本記事では、マルチモードファイバーの基本概念と特徴について詳しく解説します。

1-1. 基本概念と特徴

1-1-1. マルチモードファイバー(MMF)の定義と構造

マルチモードファイバー(Multimode Fiber)は、複数の光の経路(モード)を同時に通すことができる光ファイバーです。

この特性により、単一の光路しか通さないシングルモードファイバーとは異なり、より太いコア径を持ち、LEDやVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を光源として使用することが一般的です。

マルチモードファイバーの基本構造

マルチモードファイバーの構造は、以下のような要素で成り立っています。

部分特徴
コア(Core)光を通す中心部分。直径は50μmまたは62.5μmが主流。
クラッド(Cladding)コアを覆う部分で、光の反射を助ける役割を持つ。直径は125μm。
保護コーティング(Coating)物理的な保護を提供する外層。
マルチモードファイバーの特徴

マルチモードファイバーには、以下のような特徴があります。

  • 短距離通信に最適:最大伝送距離は数百メートル程度で、データセンターやオフィス内のネットワークに適している。
  • 安価な光源を使用可能:VCSELやLEDなどの低コストな光源を利用できるため、シングルモードファイバーよりも導入コストが抑えられる。
  • モード分散が発生する:複数の光路を通るため、長距離伝送では信号が劣化しやすい。

これらの特徴を理解することで、マルチモードファイバーがどのような環境に適しているのかが明確になります。

1-1-2. シングルモードファイバーとの違い

マルチモードファイバーとシングルモードファイバーは、どちらも光通信に使用されますが、その構造や用途には大きな違いがあります。

ここでは、それぞれの違いを比較しながら解説します。

マルチモードファイバーとシングルモードファイバーの比較
項目マルチモードファイバーシングルモードファイバー
コア径50μm または 62.5μm8~10μm
光源LED・VCSELレーザー
最大伝送距離~数百メートル~数十キロメートル
用途データセンター・LAN長距離通信・WAN
コスト比較的安価高価
どちらを選ぶべきか?
  • 短距離(数百メートル以内)での通信を想定する場合 → マルチモードファイバーが適している
  • 長距離(数キロメートル以上)の通信が必要な場合 → シングルモードファイバーが適している

このように、用途によって最適なファイバーを選択することが重要です。

したがって、データセンターやオフィス内ネットワークの構築では、コスト面や設置のしやすさからマルチモードファイバーが多く利用されています。

マルチモードファイバー(MMF)の種類と規格

マルチモードファイバーには、さまざまな種類と規格があり、その中でもOM(Optical Multimode)規格が一般的です。

OM規格は、帯域幅や伝送距離によって分類されており、用途に応じて最適な規格を選択することが重要です。

本章では、OM1からOM5までの違いや、それぞれの帯域幅と伝送距離の関係について詳しく解説します。

2-1. OM規格の分類

OM規格(Optical Multimode規格)は、国際標準で定められたマルチモードファイバーの分類です。

コア径、帯域幅、対応する光源、最大伝送距離などが異なり、用途によって適した規格が変わります。

現在、OM1からOM5までの5種類が存在し、技術の進化とともに高性能な規格が登場しています。

2-1-1. OM1からOM5までの違い

OM1からOM5の規格は、それぞれ異なる性能を持っています。

以下の表に、各OM規格の特徴をまとめました。

規格コア径 (μm)光源帯域幅(MHz・km)最大伝送距離 (100Gbps)主な用途
OM162.5LED200非対応低速LAN、レガシーシステム
OM250LED500非対応短距離LAN、企業ネットワーク
OM350VCSEL2000100m高速データ通信、データセンター
OM450VCSEL4700150m大規模データセンター、高速通信
OM550VCSEL28000150m次世代データセンター、WDM対応

OM1とOM2は、古い規格であり、現在では高速通信向けの用途には適していません。

一方、OM3以降はVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を光源とし、高速なデータ通信が可能です。特にOM4は、帯域幅が大きく、長距離伝送にも適しています。

OM5は、SWDM(短波長多重伝送)に対応しており、次世代のデータセンター向けに開発された規格です。

2-1-2. 帯域幅と伝送距離の関係

マルチモードファイバーの性能は、帯域幅と伝送距離によって決まります。

一般的に、帯域幅が広いほど高速な通信が可能ですが、伝送距離が長くなると信号の劣化が発生しやすくなります。

以下の表は、各OM規格における帯域幅と伝送距離の関係を示しています。

規格10Gbpsの最大距離40Gbpsの最大距離100Gbpsの最大距離
OM133m
OM282m
OM3300m100m100m
OM4550m150m150m
OM5550m150m150m

帯域幅が大きいほど、一度に多くのデータを送信できるため、以下のようなメリットがあります。

  • データセンターのネットワーク効率が向上する
  • 通信の安定性が向上し、エラー発生率が低下する
  • 将来的なネットワーク拡張に対応しやすくなる

OM3以上の規格を選択することで、データセンターや企業のネットワークインフラをより安定したものにすることができます。

特に、高速通信が求められる環境では、OM4やOM5が推奨されます。

マルチモードファイバーのメリットとデメリット

マルチモードファイバーは、データセンターや企業のネットワーク環境で広く利用されている光ファイバーの一種です。

シングルモードファイバーと比較すると、短距離通信に適しており、コストパフォーマンスに優れる一方で、伝送距離や帯域幅の制約があります。

ここでは、マルチモードファイバーのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

3-1. メリット

3-1-1. コストパフォーマンス

マルチモードファイバーの最大のメリットの一つは、シングルモードファイバーに比べてコストが低いことです。

コスト面でのメリット

  • 光ファイバー自体のコストが低い:シングルモードファイバーと比較して、マルチモードファイバーの材料費は安価です。
  • 安価な送信機・受信機(トランシーバー)が利用可能:シングルモードファイバーでは高出力のレーザー光源が必要になりますが、マルチモードファイバーでは低コストなLEDやVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を使用できるため、トランシーバーのコストも抑えられます。
  • 敷設・保守が容易:マルチモードファイバーは、シングルモードファイバーに比べて端面処理の精度がそれほど求められず、施工やメンテナンスの手間を軽減できます。

その結果、企業やデータセンターのネットワーク構築において、短距離の通信環境ではマルチモードファイバーがコストパフォーマンスに優れた選択肢となります。

3-1-2. 短距離通信での優位性

マルチモードファイバーは、短距離通信に特化した光ファイバーです。

短距離通信に適している理由

  • 100m〜550mの距離で安定した通信が可能:特にOM3やOM4規格のマルチモードファイバーは、100Gbpsの通信速度でも最大150mの伝送が可能です。
  • データセンターや企業内ネットワークに最適:建物内やデータセンター内のラック間接続など、短距離の高速通信を必要とする環境で活用されています。
  • 配線がシンプル:シングルモードファイバーと比べて光源の調整が容易なため、導入しやすい。

このように、短距離のネットワーク構築では、マルチモードファイバーがコスト面・運用面の両方で大きなメリットを持っています。

3-2. デメリット

3-2-1. 伝送距離の制限

マルチモードファイバーは、シングルモードファイバーと比べて伝送できる距離が短いというデメリットがあります。

なぜ伝送距離が短いのか?

  • モード分散の影響:マルチモードファイバーは、複数の光路(モード)を通るため、信号の伝達速度にバラつきが生じます。その結果、長距離になるとデータが歪み、通信品質が低下します。
  • 光源の制約:LEDやVCSELは低コストである反面、長距離伝送には適していません。

各規格の最大伝送距離(10Gbps通信時)

規格最大伝送距離
OM133m
OM282m
OM3300m
OM4550m
OM5550m

シングルモードファイバーが数十kmの伝送に対応できるのに対し、マルチモードファイバーは1km未満が限界です。

そのため、長距離通信が必要な場合は、シングルモードファイバーの導入が推奨されます。

3-2-2. 帯域幅の制限

マルチモードファイバーは、シングルモードファイバーと比較すると、帯域幅に制限があります。

帯域幅が制限される理由

  • 複数の光路が干渉し合う:マルチモードファイバーでは、複数の光信号が同時に伝送されるため、干渉が発生しやすく、結果として帯域幅が制限されます。
  • 長距離では信号の劣化が発生:距離が伸びると、光の信号が分散し、誤差が増加するため、高速通信においては伝送距離の制約が大きくなります。

帯域幅の比較(OM3〜OM5)

規格帯域幅(MHz・km)100Gbpsの最大距離
OM32000100m
OM44700150m
OM528000150m

OM5は、短波長多重通信(SWDM)に対応し、より広い帯域幅を確保できるようになっていますが、それでもシングルモードファイバーには及びません。

したがって、大容量のデータを長距離で伝送する必要がある場合は、帯域幅の制約を考慮し、シングルモードファイバーの選択を検討する必要があります。

マルチモードファイバーの用途と適用例

マルチモードファイバーは、短距離の高速通信が求められる環境で広く使用されています。特に、データセンターやオフィスのLAN環境などでの活用が一般的です。

シングルモードファイバーと比べてコストが低く、設置しやすいため、多くの企業や組織がネットワーク構築の際に採用しています。

ここでは、マルチモードファイバーの代表的な用途として「データセンター」と「オフィスのLAN環境」での活用例を詳しく解説します。

4-1. データセンターでの活用

データセンターは、膨大なデータを高速で処理する必要があるため、光ファイバーを利用したネットワークインフラが不可欠です。

特に、サーバー間の短距離接続では、マルチモードファイバーが最適な選択肢となります。

4-1-1. 内部配線での使用例

データセンターでは、以下のような用途でマルチモードファイバーが活用されています。

  • サーバーラック間の接続:サーバーやストレージ間の通信を高速化するために、マルチモードファイバーが使用されます。
  • スイッチ間の接続:データセンターのネットワークスイッチ間をつなぐことで、高速で安定した通信が可能になります。
  • SAN(ストレージエリアネットワーク):データベースやクラウドストレージへのアクセスを高速化するために利用されます。

データセンター内の配線には、以下のような規格のマルチモードファイバーがよく使用されます。

規格最大通信速度最大伝送距離(100Gbps)主な用途
OM310Gbps~40Gbps100m一般的なデータセンターの接続
OM410Gbps~100Gbps150m高速データセンターの接続
OM510Gbps~400Gbps150m次世代データセンター、WDM対応

このように、データセンターでは通信速度や将来の拡張性を考慮しながら、適切なOM規格のマルチモードファイバーを選択することが重要です。

4-2. LAN環境での利用

オフィス内のネットワーク環境においても、マルチモードファイバーは重要な役割を果たします。

特に、大規模なオフィスやビル全体でのLAN構築においては、安定した通信環境を実現するためにマルチモードファイバーが活用されています。

4-2-1. オフィス内ネットワークへの適用

オフィスネットワークにおいて、マルチモードファイバーは以下のような用途で利用されています。

  • ビル内のフロア間接続:オフィスビルの異なるフロア間を接続する際に、マルチモードファイバーを使用すると、高速かつ安定した通信が可能になります。
  • 会議室や作業スペースの高速通信:大容量のデータを扱う作業環境では、光ファイバーを利用することで、遅延の少ないネットワークを実現できます。
  • Wi-Fiネットワークのバックボーン:企業内のWi-Fiネットワークを支えるバックボーンとして、マルチモードファイバーが使われることが増えています。

オフィス内のLAN環境では、以下のようなOM規格のマルチモードファイバーがよく利用されます。

規格最大通信速度最大伝送距離(10Gbps)主な用途
OM21Gbps~10Gbps82m小規模オフィスのLAN接続
OM310Gbps~40Gbps300m中~大規模オフィスのネットワーク
OM410Gbps~100Gbps550m高速LAN環境、Wi-Fiバックボーン

マルチモードファイバーを活用することで、企業のネットワークはより高速で安定したものになります。

また、Wi-Fi環境の改善やリモートワークの拡大にも対応しやすくなるため、今後さらに導入が進むと考えられます。

マルチモードファイバーの選び方と注意点

マルチモードファイバーを導入する際には、用途に応じた適切な規格を選択することが重要です。

また、インストール時の取り扱いを誤ると、通信性能の低下や故障の原因となるため、正しい接続方法やメンテナンスのポイントを理解しておく必要があります。

ここでは、マルチモードファイバーを選ぶ際の規格の選び方と、インストール時の注意点について詳しく解説します。

5-1. 適切な規格の選択

マルチモードファイバーにはOM1からOM5までの規格があり、それぞれ異なる性能を持っています。

用途に応じて最適な規格を選ぶことで、ネットワークの安定性やコストパフォーマンスを向上させることができます。

5-1-1. 用途に応じたOM規格の選び方

OM規格の選択においては、以下の3つのポイントを考慮することが重要です。

  1. 必要な通信速度:10Gbps以上の通信を求める場合は、OM3以上が推奨されます。
  2. 伝送距離:短距離(100m以内)ならOM3、長距離(150m以上)ならOM4やOM5を選ぶのが適切です。
  3. コストと将来性:OM4やOM5は価格が高いですが、長期的に見ると拡張性に優れています。

以下の表に、用途別の最適なOM規格をまとめました。

用途推奨規格理由
小規模オフィスのLAN接続OM2低コストで十分な性能
中~大規模オフィスのLANOM310Gbps以上の通信が可能
データセンターのサーバー間接続OM4100Gbps通信に対応し、距離も確保できる
次世代データセンター・クラウド環境OM5WDM対応で高い拡張性

特に、今後の技術進化を見据えてOM4やOM5を選択する企業が増えており、長期的な視点での導入を検討することが重要です。

5-2. インストール時の注意点

マルチモードファイバーを正しくインストールすることで、通信品質を維持し、ネットワークのトラブルを防ぐことができます。

ここでは、接続方法や取り扱いのポイントについて説明します。

5-2-1. 接続方法と取り扱いのポイント

マルチモードファイバーの設置・取り扱いには、以下の点に注意が必要です。

1. コネクタの種類を確認する
マルチモードファイバーのコネクタには、LC、SC、MTP/MPOなどの種類があります。

特に、データセンターや大規模ネットワークではMTP/MPOコネクタが一般的に使用されます。

コネクタの種類特徴
LCコネクタ小型で高密度な接続に適している
SCコネクタ一般的な光ファイバー接続で広く使われる
MTP/MPOコネクタデータセンター向けの多芯コネクタ

設置前に、使用する機器との互換性を確認することが重要です。

2. ケーブルの曲げ半径に注意する
光ファイバーケーブルは、過度に曲げると信号損失が発生し、通信品質が低下します。

一般的に、曲げ半径はケーブル直径の10倍以上を確保するのが推奨されています。

3. クリーニングを徹底する
光ファイバーの端面にホコリや汚れが付着すると、信号の減衰や通信エラーの原因になります。

専用のクリーニングツールを使用し、定期的に清掃することが大切です。

4. ケーブルの引き回しを適切に行う
ケーブルを引き回す際は、以下のポイントに注意してください。

  • 無理な力を加えず、適切なケーブルトレイを使用する
  • 熱や振動の影響を受けにくい経路を選ぶ
  • ケーブルの固定時に過度な圧力をかけない

これらの点を守ることで、マルチモードファイバーの性能を最大限に発揮し、ネットワークの安定性を確保することができます。

最新のトレンドと今後の展望

マルチモードファイバーは、データセンターや企業ネットワークの重要な通信インフラとして広く活用されています。

近年では、より高速で効率的なデータ伝送を可能にするため、新たな技術が開発され、次世代規格の導入が進んでいます。

本章では、最新のOM5規格の特徴とその可能性、さらにマルチモードファイバーの将来展望について詳しく解説します。

6-1. 次世代規格と技術の進化

データ通信の需要が増加する中で、マルチモードファイバーの技術も進化を続けています。

特に、OM5規格の登場は、データセンターやクラウドインフラのさらなる高速化に貢献すると期待されています。

6-1-1. OM5規格とその可能性

OM5は、マルチモードファイバーの最新規格として2016年に規定されました。

従来のOM4と同じ50μmのコア径を持ちながら、新たに短波長多重通信(SWDM:Shortwave Wavelength Division Multiplexing)に対応している点が特徴です。

OM5規格の主な特徴

  • SWDM技術の採用:850nm、880nm、910nm、940nmの4つの波長を利用することで、1本のファイバーで複数のデータストリームを同時に伝送可能。
  • 既存のOM4インフラと互換性あり:OM4の設備を活用しつつ、より高い通信速度と効率を実現できる。
  • データセンター向けに最適化:100Gbps以上の高速通信が求められる環境に適しており、次世代データセンターの標準規格として注目されている。
規格最大伝送距離(100Gbps)SWDM対応主な用途
OM3100m×10Gbps~40Gbps通信
OM4150m×40Gbps~100Gbps通信
OM5150m100Gbps以上の高速通信

OM5の可能性と今後の普及

OM5は、今後のデータ通信の高速化に対応する規格として、特にクラウドサービスを提供する大規模データセンターでの採用が進むと予想されます。

従来のマルチモードファイバーと比べて、効率的なデータ伝送が可能になるため、データセンターの省エネルギー化やコスト削減にも寄与します。

ただし、現在のところOM5に対応した機器はまだ限られており、今後の普及には時間がかかる可能性があります。

しかし、データ通信量の増加が続く中で、OM5が標準規格として定着する可能性は高いと考えられます。

6-1-2. マルチモードファイバーの将来展望

今後の通信技術の進化に伴い、マルチモードファイバーの役割も変化していくと考えられます。以下の3つのポイントが、今後の重要なトレンドとなるでしょう。

1. データセンターにおける高速通信のニーズ拡大
クラウドサービスの普及に伴い、データセンターではより高速な通信インフラが求められています。

現在、400Gbpsや800Gbpsといった超高速通信の需要が高まりつつあり、これに対応するための技術開発が進んでいます。

OM5のような新規格の導入が、今後さらに加速すると予想されます。

2. WDM技術との融合
OM5ではSWDM技術が導入されましたが、今後はより高度な波長分割多重通信(WDM)技術との融合が進む可能性があります。

これにより、1本のファイバーでより多くのデータを送ることが可能になり、さらなる通信効率の向上が期待されます。

3. コスト削減と環境負荷の軽減
マルチモードファイバーは、シングルモードファイバーに比べてコストが低く、設置が容易であるため、多くの企業で導入が進んでいます。

今後、より省エネルギーで持続可能なネットワーク構築を目指し、ファイバーの材質改良や新たな信号処理技術が開発される可能性があります。

今後の技術革新に期待

マルチモードファイバーは、長距離通信には不向きであるものの、データセンターや企業ネットワークなど、短距離での高速通信には依然として欠かせない技術です。

新たな規格や技術が登場することで、今後もさらなる進化が期待されます。