「パスワードを覚えるのが面倒」「フィッシング詐欺が怖い」そんな悩みを抱えていませんか?
Passkeysは、パスワード不要で安全にログインできる新しい認証技術です。Apple、Google、Microsoftをはじめ、多くの企業が採用を進めており、今後の主流になると言われています。
本記事では、Passkeysの仕組みやメリット・デメリット、対応デバイスや設定方法、実際に使えるサービスまで分かりやすく解説します。
セキュリティ強化と利便性向上を両立するPasskeysを知り、あなたもパスワード管理のストレスから解放されましょう!
この記事は以下のような人におすすめ!
- Passkeysとは何か知りたい人
- どんな仕組みで認証しているのか知りたい
- 従来のパスワードとPasskeysは何が違うのか知りたい
Passkeysとは何か
パスワードレス認証技術が進化する中で、「Passkeys(パスキー)」は、より安全で利便性の高い認証方法として注目を集めています。
従来のパスワードを使用せず、生体認証やデバイス認証を利用することで、セキュリティの向上と利便性の向上を同時に実現する仕組みです。
本章では、Passkeysの基本的な定義と誕生の背景、そして従来のパスワード認証との違いについて詳しく解説します。
1-1. Passkeysの定義と背景
Passkeysは、従来のパスワードを不要にし、より安全な認証を実現するために開発された新しい技術です。
主に「FIDO(Fast Identity Online)」という認証標準に基づいており、Apple、Google、Microsoftなどの大手企業が採用を進めています。
1-1-1. Passkeysの定義
Passkeysとは、 「パスワードの代わりにデバイス内の秘密鍵を用いて認証を行う仕組み」 のことを指します。
従来のパスワードは、ユーザーが記憶し、入力する必要がありました。
しかし、Passkeysは、デバイスに保存された秘密鍵とサーバー側の公開鍵を組み合わせて認証するため、ユーザーがパスワードを覚える必要がありません。
Passkeysの基本的な仕組みは以下の通りです。
- ユーザー登録時:サービス側で公開鍵を生成し、ユーザーのデバイスに秘密鍵を保存する。
- ログイン時:デバイスに保存された秘密鍵を使い、公開鍵と照合することで本人確認を行う。
- 認証完了:正しい秘密鍵が使われた場合のみ、ログインが許可される。
1-1-2. Passkeys誕生の背景
Passkeysが開発された背景には、 パスワードの脆弱性と管理の煩雑さ という大きな問題があります。
パスワードは長年にわたり、オンラインサービスの標準的な認証方法として使われてきました。しかし、以下のような課題がありました。
- セキュリティリスクが高い
- 短い・簡単なパスワードは推測されやすい。
- 同じパスワードを複数のサイトで使い回すと、1つの漏えいが複数のアカウントに影響を及ぼす。
- フィッシング攻撃により、ユーザーが誤ってパスワードを入力するリスクがある。
- 管理が面倒
- 多くのパスワードを覚えなければならない。
- 安全なパスワード管理にはパスワードマネージャーが必要。
こうした課題を解決するために、 「パスワードをなくす」 という発想から生まれたのがPasskeysです。
大手テクノロジー企業がFIDOアライアンスと協力し、統一された標準規格として開発を進めたことで、多くのデバイスやプラットフォームでの普及が進んでいます。
1-2. 従来のパスワードとの違い
従来のパスワード認証とPasskeysの最大の違いは、 「ユーザーがパスワードを覚えたり入力したりする必要がない」 という点です。
ここでは、セキュリティと利便性の観点から、具体的な違いを比較します。
1-2-1. Passkeysとパスワードの比較
項目 | 従来のパスワード | Passkeys |
---|---|---|
認証方法 | ユーザーがパスワードを入力 | デバイスの秘密鍵で認証 |
セキュリティ | フィッシング攻撃や漏えいのリスクが高い | 秘密鍵がデバイス内に保存されるため、漏えいリスクが低い |
ユーザー負担 | パスワードを記憶・管理する必要がある | 記憶や入力の必要がない |
使いやすさ | 長いパスワードや複雑なパスワードの入力が面倒 | 生体認証(指紋・顔認証)で簡単にログイン可能 |
このように、Passkeysは セキュリティを向上させつつ、ユーザーの負担を軽減する技術 であることが分かります。
1-2-2. なぜPasskeysは安全なのか?
Passkeysがパスワードより安全とされる理由は、 「フィッシング対策」「秘密鍵の管理」「暗号技術の活用」 という3つのポイントにあります。
- フィッシング対策
- Passkeysでは、ユーザーが手動でパスワードを入力することがないため、フィッシングサイトにパスワードを入力するリスクがゼロになります。
- 秘密鍵の管理
- Passkeysの秘密鍵はデバイスに保存され、外部に流出しにくい仕組みになっています。さらに、多くのプラットフォームでは クラウド同期 に対応しており、デバイスを変更しても安全に引き継ぐことが可能です。
- 暗号技術の活用
- Passkeysは 公開鍵暗号方式 を用いており、パスワードのように文字列を保存するのではなく、サーバー側には公開鍵のみが保存されます。そのため、 万が一サーバーがハッキングされても、秘密鍵が漏れることはありません。
1-3. まとめ
Passkeysは、 「パスワードをなくすことで、より安全で快適な認証を実現する技術」 です。
従来のパスワードは便利な一方で、多くのセキュリティリスクを抱えていました。
特に、 パスワードの使い回しやフィッシング攻撃 による情報漏えいは深刻な問題でした。Passkeysは、こうした課題を解決するために誕生した、新しい認証技術です。
今後、Apple、Google、Microsoftをはじめとする大手企業が本格的に採用を進めることで、Passkeysの普及が加速すると考えられます。次の章では、Passkeysを導入するメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
Passkeysのメリットとデメリット
Passkeysは、パスワードを不要にすることで セキュリティ向上と利便性向上を同時に実現する新しい認証技術 です。
しかし、すべての技術にはメリットとデメリットがあり、Passkeysも例外ではありません。
この章では、Passkeysの メリット(セキュリティ向上・ユーザーエクスペリエンスの向上・フィッシング対策効果) と デメリット(導入コストや既存システムとの互換性・ユーザーの認知度や理解度の課題) について詳しく解説します。
2-1. メリット
Passkeysを導入することで、企業やユーザーは多くの恩恵を受けることができます。
特に、 セキュリティの向上、使いやすさの改善、フィッシング対策 という3つのポイントは大きなメリットです。
2-1-1. セキュリティ向上
Passkeysは、パスワードを完全になくすことで 情報漏えいや不正アクセスのリスクを大幅に低減 します。
従来のパスワードは、以下のようなリスクを抱えていました。
- パスワードの流出(データ漏えい、リスト型攻撃)
- 簡単なパスワードの使用(推測されやすい)
- 使い回しによる被害の拡大
一方、Passkeysは以下のような仕組みにより、これらのリスクを解消します。
セキュリティリスク | パスワード | Passkeys |
---|---|---|
フィッシング攻撃 | ユーザーがパスワードを入力するため、攻撃を受けやすい | ユーザーが手動で入力しないため、攻撃を受けない |
流出リスク | サーバーに保存されたパスワードが漏えいする可能性がある | サーバーには公開鍵のみが保存されるため、漏えいしても問題なし |
推測されるリスク | 短く簡単なパスワードは推測されやすい | 秘密鍵はランダムに生成されるため、推測が困難 |
使い回しのリスク | 複数のサービスで同じパスワードを使い回すと、一つの漏えいが全体に影響する | サービスごとに異なる秘密鍵が生成されるため、使い回しの問題がない |
このように、Passkeysは パスワードの最大の弱点である「漏えい」と「推測されるリスク」を根本的に解決 する技術です。
2-1-2. ユーザーエクスペリエンスの向上
セキュリティが強固でも、使いにくければ普及しません。
その点、Passkeysは ユーザーにとって非常に使いやすい という利点があります。
- パスワードを覚える必要がない
- 長い複雑なパスワードを記憶する負担がなくなる。
- 認証がスムーズ
- スマートフォンの 生体認証(指紋・顔認証) を使ってログインできるため、入力の手間が不要。
- PCでもスマートフォンと連携すればワンタップで認証可能。
- 複数のデバイスで利用可能
- Passkeysはクラウド同期(AppleのiCloud Keychain、Google Password Managerなど)を活用できるため、 デバイスを変更してもログインが簡単。
このように、Passkeysは 「セキュリティの向上」と「使いやすさ」の両方を兼ね備えた技術 であることがわかります。
2-1-3. フィッシング対策効果
フィッシング詐欺は、 偽のログインページにパスワードを入力させて盗み取る手口 ですが、Passkeysは パスワード自体を使わないため、フィッシング攻撃を受ける心配がありません。
- パスワードを入力しない → フィッシングサイトに引っかからない
- 秘密鍵はデバイスに保存されているため、攻撃者に奪われることがない
このため、Passkeysは フィッシング対策としても非常に有効 です。
2-2. デメリット
Passkeysは画期的な技術ですが、導入にはいくつかの課題もあります。
特に、 導入コストや既存システムとの互換性、ユーザーの認知度 に関する問題は、普及を妨げる要因となる可能性があります。
2-2-1. 導入コストや既存システムとの互換性
Passkeysを導入するためには、企業側が 既存の認証システムを変更する必要 があります。
- Webサービスの対応
- Passkeysを利用するには、サービス側が FIDO認証 に対応する必要がある。
- 既存のパスワード認証と併用する場合、システムの複雑化が課題。
- 開発コストの問題
- Passkeys対応には新たな開発コストがかかる。
- 小規模な企業やスタートアップには負担となる可能性がある。
- 互換性の課題
- 一部の古いデバイスやブラウザでは、Passkeysに対応していない場合がある。
- そのため、すべてのユーザーがすぐに利用できるわけではない。
2-2-2. ユーザーの認知度や理解度の課題
Passkeysは 比較的新しい技術であり、多くのユーザーにとって馴染みがない という課題があります。
- 「Passkeysって何?」という状態のユーザーが多い
- 新しい認証方法のため、パスワードに慣れたユーザーにとっては抵抗感がある。
- 利用方法の認知不足
- 「どのデバイスで使えるのか」「どのサービスで導入されているのか」が分かりにくい。
- 教育・啓蒙活動が必要
- 普及のためには、企業側がユーザーに対して Passkeysのメリットや使い方を丁寧に説明する必要がある。
2-3. まとめ
Passkeysには セキュリティの向上・ユーザーエクスペリエンスの向上・フィッシング対策効果 という大きなメリットがあります。
しかし、その一方で 導入コスト・システムの互換性・ユーザーの認知度 という課題もあります。
今後、Apple・Google・Microsoftといった大手企業が推進することで 対応サービスが増え、利用が一般化していくことが期待 されます。
Passkeysの利用方法
Passkeysは、 パスワード不要の認証方法 として、セキュリティと利便性の向上を実現する画期的な技術です。
しかし、 「どうやってPasskeysを設定すればいいのか?」 という疑問を持つ人も多いでしょう。
この章では、 主要なプラットフォーム(iOS、Android、Windows)でのPasskeysの設定手順 を詳しく解説し、 日常的な利用シーンや操作手順 についても具体的に説明します。
3-1. Passkeysの設定手順
Passkeysは、 スマートフォンやPCに紐付けて使用する ため、まずはデバイスでの設定が必要です。
以下、主要なプラットフォーム別に設定手順を紹介します。
3-1-1. iOS(iPhone・iPad)でのPasskeys設定
iPhoneやiPadでは、 iCloud Keychain(キーチェーン) を利用してPasskeysを保存・管理できます。
設定手順
- iCloud Keychainを有効にする
- 「設定」アプリを開く
- 「Apple ID(名前)」→「iCloud」→「パスワードとキーチェーン」を選択
- 「キーチェーン」をオンにする
- Passkeysを利用できるサービスでアカウントを作成する
- 例えば、Google、Amazon、Microsoftなど、Passkeys対応のサイトにアクセス
- 「アカウント作成」または「ログイン」画面で 「Passkeysでサインイン」 を選択
- Face IDまたはTouch IDで認証すると、Passkeysが作成・保存される
- 次回以降のログイン方法
- ログイン画面で 「Passkeysでサインイン」 を選択
- Face IDまたはTouch IDで認証すれば、即座にログイン完了
3-1-2. AndroidでのPasskeys設定
Androidデバイスでは、Google Password Managerを活用してPasskeysを管理できます。
設定手順
- Googleのパスワード管理機能を有効にする
- 「設定」アプリを開く
- 「Google」→「パスワードマネージャー」→「Passkeys」を選択
- 「Passkeysの管理」をオンにする
- Passkeysを利用できるサービスで設定する
- Passkeys対応のサイトにアクセスし、「Passkeysを使ってログイン」を選択
- 指紋認証、顔認証、または画面ロックで認証
- PasskeysがGoogleアカウントに保存される
- 次回以降のログイン方法
- ログイン画面で 「Passkeysを使用」 を選択
- 指紋認証や顔認証で即座にログイン
3-1-3. Windows(PC)でのPasskeys設定
Windowsでは、 Windows Hello を利用してPasskeysを設定できます。
設定手順
- Windows Helloを有効にする
- 「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」へ進む
- 「Windows Hello(顔認証・指紋認証・PIN)」を設定
- Passkeys対応のサイトで設定する
- サポートサイト(例:Google、Microsoft)で「Passkeysを設定」を選択
- Windows Helloで認証(顔認証・指紋認証・PIN)
- Passkeysがデバイスに保存される
- 次回以降のログイン方法
- サイトのログイン画面で「Passkeysを使用」を選択
- Windows Helloで認証し、即座にログイン
3-2. 実際の利用シーン
Passkeysは、 ログイン時のストレスを大幅に削減 する技術です。
ここでは、 日常的な利用シーン を具体的に紹介します。
3-2-1. スマートフォンでのログイン
シナリオ:スマートフォンでGoogleアカウントにログイン
- Googleのログインページを開く
- 「Passkeysでログイン」を選択
- Face ID(iPhone)または指紋認証(Android)で認証
- すぐにログイン完了
→ パスワード不要で、安全かつスムーズにログインできる!
3-2-2. PCでの仕事環境のログイン
シナリオ:会社のPCでMicrosoftアカウントにログイン
- Microsoftのサインイン画面を開く
- 「Passkeysでサインイン」を選択
- Windows Helloで顔認証または指紋認証
- 瞬時にログイン完了
→ 業務の効率が向上し、セキュリティリスクも低減!
3-2-3. ショッピングサイトでの安全な決済
シナリオ:Amazonでの購入時にログイン
- Amazonのログインページを開く
- 「Passkeysでログイン」を選択
- スマートフォンで指紋認証または顔認証
- ログインが完了し、購入手続きを続行
→ 決済時のフィッシング詐欺のリスクが減り、安全に買い物ができる!
3-3. まとめ
Passkeysを利用すれば、 パスワード不要で、安全かつ快適にログインできる ようになります。
3-3-1. Passkeysの設定方法(まとめ)
プラットフォーム | 設定方法 | 認証方法 |
---|---|---|
iOS(iPhone・iPad) | iCloud Keychainを有効化 | Face ID / Touch ID |
Android | Google Password Managerを使用 | 指紋認証 / 顔認証 |
Windows(PC) | Windows Helloを利用 | 顔認証 / 指紋認証 / PIN |
3-3-2. Passkeysの主な利用シーン
- スマホやPCでのログイン(Google、Microsoft、Amazonなど)
- 仕事環境のログイン(企業アカウント)
- ショッピングサイトでの安全な決済
今後、 Passkeysの対応サービスが増えれば、さらに多くのシーンでパスワード不要の快適なログインが実現 します。
セキュリティとプライバシー
Passkeysは、 従来のパスワードを使わない認証方法 であるため、 「本当に安全なのか?」 と疑問に思う人もいるかもしれません。
この章では、 Passkeysのセキュリティ機能 を技術的に解説し、 プライバシー保護への影響 についても詳しく説明します。
4-1. Passkeysのセキュリティ機能
Passkeysは、 パスワードの弱点を補い、高度なセキュリティを提供する技術 です。
ここでは、Passkeysがどのように セキュリティを強化するのか を技術的に解説します。
4-1-1. 公開鍵暗号方式による安全な認証
Passkeysは、 公開鍵暗号方式 を用いた認証技術です。
これにより、 パスワードを送信・保存することなく、安全な認証が可能 になります。
仕組みの流れ
- Passkeysを作成
- サービス側(例:Google、Amazon)でアカウントを作成する際、 公開鍵と秘密鍵のペアが生成 される。
- 公開鍵 はサーバーに保存され、秘密鍵 はユーザーのデバイス内に安全に保存される。
- ログイン時の認証プロセス
- ユーザーがログインしようとすると、サービス側が認証をリクエスト。
- デバイスに保存された 秘密鍵を使ってデジタル署名 を生成し、サーバー側の 公開鍵と照合 する。
- 一致すれば認証が成功し、ログインが完了する。
なぜ安全なのか?
- パスワードが不要 → フィッシング攻撃を防ぐ
- ユーザーが手入力するパスワードがないため、 偽サイトにパスワードを入力してしまうリスクがゼロ になる。
- 秘密鍵はデバイスにのみ保存 → 漏えいリスクが低い
- 万が一、サービス側のデータベースがハッキングされても、公開鍵しか保存されていないため アカウントの乗っ取りは不可能。
- なりすましが困難 → 高い信頼性
- 秘密鍵は 生体認証(指紋・顔認証) や PINコード でのみ使用可能。
- 仮にデバイスが盗まれても、 他人が認証することは難しい。
4-1-2. 多要素認証(MFA)との比較
多くの企業では 多要素認証(MFA: Multi-Factor Authentication) を採用しています。では、PasskeysはMFAと比べてどう違うのでしょうか?
項目 | 多要素認証(MFA) | Passkeys |
---|---|---|
認証方法 | パスワード+ワンタイムパスワード(SMSなど) | 公開鍵暗号方式(パスワード不要) |
使いやすさ | ワンタイムパスワードを入力する必要がある | 指紋・顔認証で即座にログイン |
セキュリティ | ワンタイムパスワードの盗難リスクあり | 秘密鍵が漏えいしないため安全 |
フィッシング耐性 | フィッシングサイトにワンタイムパスワードを入力するリスクあり | フィッシング攻撃を受けない |
このように、 PasskeysはMFAよりもセキュリティが強固で、かつ利便性が高い認証方式 であることが分かります。
4-1-3. Passkeysのクラウド同期とリカバリー
Passkeysは、AppleやGoogleなどの クラウド同期機能 を活用することで、 デバイスを変更しても安全に復元 できます。
- AppleのiCloud Keychain:iPhone、iPad、Mac間でPasskeysを同期
- Google Password Manager:Android、Chromeブラウザ間でPasskeysを同期
- Microsoftのクラウド同期:Windows Helloを利用したPasskeysの保存
セキュリティ面のポイント
- クラウド同期はエンドツーエンド暗号化されている
- つまり、 AppleやGoogleのサーバー側でも秘密鍵の内容は解読できない。
- デバイスを紛失しても、新しいデバイスで復元可能
- ただし、 強固なデバイスロック(PINや生体認証) を設定しておくことが重要。
4-2. プライバシーへの影響
Passkeysは、 プライバシー保護の観点でも優れた技術 ですが、いくつか考慮すべきポイントもあります。
4-2-1. サービス側に保存されるデータ
Passkeysを利用する際、 サーバー側に保存されるのは「公開鍵」のみ です。
保存されるデータ | 内容 |
---|---|
公開鍵 | サーバーに保存。個人情報は含まれない。 |
秘密鍵 | デバイス内にのみ保存。サーバーには送信されない。 |
生体認証情報 | デバイス内のセキュアエリアに保存。クラウドに送信されない。 |
→ つまり、Passkeysを使っても、サービス側に個人の認証情報(パスワード・生体データ)は保存されないため、プライバシーリスクは低い。
4-2-2. クラウド同期によるプライバシーの考慮
Passkeysはクラウド同期を活用するため、 クラウドプロバイダーがユーザーのデータをどのように扱うか も重要なポイントです。
- AppleのiCloud KeychainやGoogleのPassword Managerは、 エンドツーエンド暗号化 を採用しており、 AppleやGoogleの管理者でさえデータを復号できない。
- ただし、 クラウド同期を利用する場合、プロバイダーの信頼性を確認することが大切。
→ プライバシーが心配な場合、Passkeysのクラウド同期をオフにし、デバイス単体で管理することも可能。
4-3. まとめ
Passkeysは 従来のパスワード認証よりも圧倒的に安全で、プライバシー保護にも優れた技術 です。
4-3-2. Passkeysのセキュリティ機能(まとめ)
- 公開鍵暗号方式により、パスワードを不要に
- フィッシング攻撃を完全に防止
- クラウド同期が可能で、デバイス変更時も復元しやすい
Passkeysのプライバシー保護のポイント
- 秘密鍵はデバイス内にのみ保存される
- サービス側に個人の認証情報が保存されないため、漏えいリスクが低い
- エンドツーエンド暗号化により、クラウド同期時のプライバシーも守られる
対応デバイスとプラットフォーム
Passkeysは、Apple、Google、Microsoftなどの主要な企業が積極的に採用を進めており、 さまざまなデバイスやプラットフォームでの利用が可能 になっています。
この章では、 現在の対応状況 を一覧で整理し、 今後の普及予測や技術的進化 について考察します。
5-1. 対応状況
Passkeysを利用するためには、デバイスやプラットフォームが FIDO認証(WebAuthn) に対応している必要があります。
現在、多くの主要なデバイスやブラウザでサポートされており、 スマートフォン、PC、タブレット、ブラウザ、各種オンラインサービス での利用が進んでいます。
5-1-1. 主要なデバイスでの対応状況
デバイス | Passkeys対応状況 | 認証方法 |
---|---|---|
iPhone (iOS 16以降) | 対応済み | Face ID / Touch ID |
iPad (iPadOS 16以降) | 対応済み | Face ID / Touch ID |
Mac (macOS Ventura以降) | 対応済み | Touch ID |
Android (Android 9以降) | 対応済み | 指紋認証 / 顔認証 |
Windows PC (Windows 10/11) | 対応済み | Windows Hello(指紋 / 顔認証 / PIN) |
Passkeysは、 ほとんどの最新デバイスで利用可能 です。
ただし、 古いデバイスやOSバージョンでは利用できない こともあるため、最新の環境にアップデートしておくことが重要です。
5-1-2. 対応ブラウザ
Passkeysは 主要なWebブラウザで広くサポート されています。
ブラウザ | Passkeys対応状況 |
---|---|
Google Chrome | 対応済み(バージョン108以降) |
Safari | 対応済み(iOS 16 / macOS Ventura以降) |
Microsoft Edge | 対応済み(Windows 10 / 11) |
Mozilla Firefox | 対応済み(バージョン120以降) |
最新のブラウザを使用していれば、 PCでもスマートフォンでもPasskeysによるログインが可能 です。
5-1-3. 対応サービス
Passkeysを導入している 主要なオンラインサービス も増えてきています。
サービス | Passkeys対応状況 |
---|---|
2023年より正式対応 | |
Apple ID | 2023年より正式対応 |
Microsoft アカウント | 2023年より正式対応 |
PayPal | 2023年より対応開始 |
Amazon | 一部地域で対応中 |
Twitter(X) | 検討中 |
現在は主に テクノロジー企業や金融サービスが先行して導入 していますが、今後は ECサイトやSNSなど、幅広いサービスへの普及 が期待されます。
5-2. 今後の展望
Passkeysは、 より多くの企業・サービスで導入が進むことが予想される技術 です。
今後の普及動向や技術的進化について、いくつかのポイントを解説します。
5-2-1. Passkeysの普及予測
Passkeysの普及は、 Apple、Google、Microsoftといった大手企業の後押しによって加速 すると考えられます。
- Apple・Googleが標準搭載 → ユーザーの認知度向上
- すでにiPhone・Androidの標準機能としてPasskeysが利用可能になっており、今後さらに普及が進むと考えられる。
- 企業・Webサービスの対応拡大
- 現在はGoogleやMicrosoftといった大手サービスが対応しているが、 ECサイトや金融機関、SNS、企業向けシステム などの幅広い分野へ普及が進む可能性が高い。
- セキュリティ規制の強化による導入促進
- EUや米国では、オンラインサービスのセキュリティ基準が厳しくなっており、 パスワードレス認証が推奨 される流れが強まっている。
→ 今後2〜3年のうちに、Passkeysは多くのWebサービスで標準的な認証方法になる可能性が高い。
5-2-2. 技術的な進化
Passkeysは、今後さらに進化し、 より便利でセキュアな認証方法 へと発展していくことが期待されます。
- 完全なパスワードレス化
- 現在、多くのサービスでは Passkeysとパスワードの併用 が推奨されているが、将来的には 完全なPasskeysのみでの認証 が一般的になる可能性が高い。
- 物理セキュリティキーとの統合
- YubiKeyなどの ハードウェアセキュリティキー と組み合わせることで、 さらに強固な認証方法 になる可能性がある。
- クロスプラットフォームでのシームレスな利用
- 現在はAppleのiCloud KeychainやGoogleのPassword Managerに依存しているが、今後は 異なるプラットフォーム間でもPasskeysをシームレスに共有できる仕組み が整備されることが期待される。
→ 将来的には、「すべてのデバイスで、どんなサービスでも、パスワードなしでログインできる世界」が実現する可能性が高い。
5-3. まとめ
Passkeysは、 すでに主要なデバイス・プラットフォーム・ブラウザで広くサポートされており、今後さらに普及が進むことが期待される技術 です。
5-3-1. 現在のPasskeys対応状況(まとめ)
- デバイス:iPhone、Android、Mac、Windowsなど幅広く対応
- ブラウザ:Chrome、Safari、Edge、Firefoxなど主要ブラウザでサポート
- サービス:Google、Microsoft、Apple ID、PayPalなど大手企業が採用
5-3-2. 今後の展望
- 企業の対応が進み、Passkeysが標準的な認証方法になる可能性が高い
- パスワードレス化が加速し、より安全で便利なログイン体験が実現
- クロスプラットフォームでのシームレスな利用が可能になることが期待される
導入事例とユーザーの声
6-1. 企業やサービスでの導入事例
Passkeysは、セキュリティ強化とユーザーエクスペリエンスの向上を目的として、多くの企業やサービスで導入が進んでいます。
以下に、主要な導入事例を紹介します。
6-1-1. Yahoo! JAPAN
2023年3月14日、Yahoo! JAPANは、Yahoo! JAPAN IDへのPasskeys対応を開始しました。
これにより、ユーザーは従来のパスワード入力に代わり、生体認証などを利用したスムーズなログインが可能となりました。
6-1-2. マネーフォワード
2023年4月3日、マネーフォワードは、マネーフォワードIDへのPasskeys対応を開始しました。
これにより、ユーザーはより簡単かつ安全にサービスを利用できるようになりました。
6-1-3. NTTドコモ
2023年4月5日、NTTドコモは、dアカウントへのPasskeys対応を開始しました。
これにより、ユーザーは生体認証を利用した迅速なログインが可能となり、セキュリティと利便性が向上しました。
6-1-4. メルカリ
2023年4月14日、メルカリは一部のログインでPasskeys対応を開始し、2024年1月29日には全てのログインに展開しました。
これにより、ユーザーは端末移行時の再登録の手間が省け、より快適にサービスを利用できるようになりました。
6-1-5. Google
2023年5月3日、GoogleはGoogleアカウントへのPasskeys対応を開始しました。
これにより、ユーザーはパスワードなしで安全にGoogleの各種サービスにアクセスできるようになりました。
6-1-6. アドビ
2023年5月16日、アドビはPasskeysへの対応を開始しました。
これにより、ユーザーはアドビのサービスにおいて、より安全で便利な認証方法を利用できるようになりました。
6-1-7. PayPal
2023年6月14日、PayPalは日本においてPasskeys対応を開始しました(米国では2022年10月に開始済み)。
これにより、ユーザーはより安全かつ迅速に決済サービスを利用できるようになりました。
6-1-8. GitHub
2023年7月12日、GitHubはPasskeysへの対応を開始しました。
これにより、開発者はセキュリティを強化しつつ、利便性の高い認証方法を利用できるようになりました。
6-1-9. TikTok
2023年7月18日、TikTokはPasskeysへの対応を開始しました。これにより、ユーザーは生体認証を利用したスムーズなログインが可能となりました。
6-1-10. 任天堂
2023年9月21日、任天堂はニンテンドーアカウントへのPasskeys対応を開始しました。
これにより、ユーザーはより安全で簡単にゲームサービスにアクセスできるようになりました。
6-1-11. Amazon
2023年10月23日、AmazonはPasskeysへの対応を開始しました。
2024年には、日本を含む全ユーザーがPasskeysを利用できるようになり、すでに1億7,500万個のPasskeysが作成されています。
これらの導入事例から、Passkeysが多くの主要企業やサービスで採用されていることがわかります。
今後もさらに普及が進み、ユーザーにとってより安全で利便性の高い認証方法として定着していくことが期待されます。