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CDP(Cisco Discovery Protocol)とは?仕組み・設定まで徹底解説!

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、隣に何がつながっているかを素早く把握できる便利な機能です。

しかし、設定方法が分からない、showコマンドで情報が見えない、セキュリティ的に有効のままでよいのか不安、という悩みも起こりがちです。

この記事では、CDPの仕組みからCisco IOSでの設定・確認、LLDPやSNMPとの違い、無効化の判断基準までを分かりやすく整理し、現場で迷わない運用のコツを解説します。

外資系エンジニア

この記事は以下のような人におすすめ!

  • CDP(Cisco Discovery Protocol)が何のための機能なのか分からズない
  • LLDPとCDPの違いや使い分けが判断できない
  • CDPをどう活用すれば運用が楽になるのか具体像が持てない

CDP(Cisco Discovery Protocol)とは何か?基礎の基礎

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、ネットワーク機器どうしが「自分は誰で、どこに、どうつながっているか」を近距離(隣接)で伝え合うための仕組みです。つまり、スイッチやルータを運用しているときに「このポートの先は何が接続されているのか」「相手の機器名やIPは何か」といった情報を、手作業で調べなくても把握しやすくしてくれます。

一方で、CDP(Cisco Discovery Protocol)は便利な反面、意図せず情報が漏れるリスクにもつながります。したがって、まずは基礎として「何のためのプロトコルで、どこで動き、何が見えるのか」を押さえることが大切です。


1-1. CDP(Cisco Discovery Protocol)の定義と目的

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、Cisco機器を中心に使われる隣接機器発見プロトコルです。ネットワーク上の「隣同士の機器」が定期的に情報を交換し、接続状況の見える化を助けます。

1-1-1. CDP(Cisco Discovery Protocol)が解決する運用の困りごと

現場でよくある悩みは、次のようなものです。

  • このポートの先にある機器が分からない(配線が追えない)
  • 機器名や管理IPを確認したいが、現地に行かないと分からない
  • 似た構成の拠点が多く、構成把握に時間がかかる
  • 障害時に「どこまでが正常で、どこからが怪しいか」を早く切り分けたい

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、こうした場面で「隣にいる機器の手がかり」を提示してくれるため、トラブルシュートや資産管理がスムーズになります。

1-1-2. CDP(Cisco Discovery Protocol)の主な目的

目的は大きく3つに整理できます。

  • 接続先(隣接機器)の特定:相手の機器名、機種、インターフェースなどを把握
  • ネットワーク構成の把握:どの機器がどこにつながっているかを理解しやすくする
  • 障害対応の高速化:配線ミス・設定ミス・接続断の切り分けを早める

つまり、CDP(Cisco Discovery Protocol)は「ネットワーク運用の目」を増やす仕組み、と捉えると分かりやすいです。


1-2. CDPが動作するOSIモデルの位置づけ

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、**OSI参照モデルのレイヤ2(データリンク層)**で動作するプロトコルです。ここが初心者の方にとって重要ポイントで、レイヤ2で動くということは「IP設定がなくても、隣接していれば情報交換できる」場面がある、ということです。

1-2-1. レイヤ2で動くと何がうれしいのか

レイヤ2で動くメリットは次の通りです。

  • IPアドレスが未設定でも、隣接機器の情報が見えることがある
  • ルーティング(レイヤ3)の設定ミスがあっても、隣接関係の確認に使える
  • 物理接続・VLANなど、現場の配線確認に近い目線で把握できる

したがって、「疎通できない=何も分からない」になりにくいのが、CDP(Cisco Discovery Protocol)の強みです。

1-2-2. OSIモデル上のイメージ(ざっくり理解)

文章だけだと掴みにくいので、簡単に整理します。

  • レイヤ1(物理):ケーブルや電波など、物理的につながる世界
  • レイヤ2(データリンク):同一リンク内での通信(スイッチングの世界)
  • レイヤ3(ネットワーク):IPでネットワークをまたぐ通信(ルーティングの世界)

CDP(Cisco Discovery Protocol)はレイヤ2なので、「同じリンクで直接つながっている相手」を見つけるのが得意です。逆に言えば、ルータを越えて遠くの機器を発見する用途には向きません。


1-3. CDPで取得できる情報一覧

CDP(Cisco Discovery Protocol)で見える情報は、「隣にいる機器の名刺情報」と考えると理解しやすいです。具体的には、運用で特に役立つのは次のカテゴリです。

1-3-1. CDP(Cisco Discovery Protocol)で分かる代表的な項目

取得できる情報の例を、使いどころとセットで表にまとめます。

取得できる情報(例)何に役立つか現場での使い方イメージ
隣接機器のホスト名(Device ID)接続先の特定「このポートの相手はどの機器?」を即判定
相手の機種・OS情報(Platform / Version)機器把握・保守計画どのモデル・どのOSかを確認し更新計画に使う
相手の管理IP(IP address)管理・切り分けそのまま管理アクセス先の手がかりになる
接続インターフェース情報(Local/Remote port)配線確認どのポート同士がつながっているかを把握
ネイティブVLAN・Voice VLAN等(環境により)VLAN運用IP電話やVLANの設定確認に役立つことがある

※取得項目は機器や設定、環境によって見え方が変わる場合があります。

1-3-2. なぜ「見える情報」が重要なのか

CDP(Cisco Discovery Protocol)の価値は、単に情報が見えることではなく、調査時間が短くなることにあります。たとえば障害対応で「相手が何か分からない」状態だと、配線を追う、現地に確認に行く、図面を探す、といった手間が連鎖します。

しかしCDP(Cisco Discovery Protocol)で隣接情報が取れれば、まず「どの機器が相手か」を確定できます。つまり、初動が早くなり、その結果として復旧までの時間を減らせます。

1-3-3. 便利さと注意点はセットで考える

CDP(Cisco Discovery Protocol)は運用に便利ですが、見える情報が多いほど、第三者にとっても「攻撃の足がかり」になり得ます。だからこそ、次の章以降で扱うことが多い論点としては、

  • どのポートでCDPを有効にするべきか(社内LANだけ、など)
  • 外部接続(インターネット側、来客用、ベンダ接続)では無効化すべきか
  • 代替としてLLDPをどう使い分けるか

といった運用判断につながっていきます。

CDP(Cisco Discovery Protocol)の仕組みと動作原理

CDP(Cisco Discovery Protocol)を使いこなすには、「どこに向けて」「どんな形で」「どれくらいの頻度で」情報が送られているのかを理解するのが近道です。なぜなら、CDPはトラブルシュートでもセキュリティ対策でも“動き方”がそのまま判断材料になるからです。ここでは、CDPメッセージの流れ、TLVというデータの入れ物、そしてCDP v1/v2の違いを、初心者にも追いやすい順番で整理します。


2-1. CDPメッセージの送受信のしくみ

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、基本的に「隣の機器に向けて、自分の情報を定期的にばらまく」タイプのプロトコルです。つまり、問い合わせて返事を待つというより、アナウンス(通知)を繰り返すイメージが近いです。

2-1-1. どこに送られるのか(隣接=同一リンク)

CDPはOSI参照モデルのレイヤ2で動作するため、ルータを越えて遠くまで届く通信ではありません。したがって、CDPで見える相手は原則として「同じリンクで直接つながっている機器」です。

運用上は次のように理解すると迷いません。

  • スイッチのあるポートに何がつながっているかを知るのに強い
  • ルーティングが壊れていても、隣接関係の確認に使えることがある
  • 逆に、ネットワーク越しの遠隔機器を一覧化する用途には向かない

2-1-2. どんなタイミングで送られるのか(周期と保持)

CDPは一定間隔でメッセージを送ります。そして受け取った側は、その情報を「一定時間だけ有効」として保持します。だから、もしCDPが途切れると「しばらく経ってから隣接情報が消える」挙動になります。

この性質は、障害対応で重要です。たとえば、

  • 片側のインターフェースがダウンしている
  • VLANやトランク設定が変わってCDPが届かなくなった
  • ポートが別機器につなぎ替えられた

こうしたとき、CDPの表示は時間差で変化します。つまり、表示の更新タイミングを意識すると、切り分けが速くなります。

2-1-3. 実務で押さえるべきポイント

CDP(Cisco Discovery Protocol)の送受信の理解を、運用目線でまとめると次の通りです。

  • CDPは「隣接機器の自己紹介」を定期的に受け取っている
  • 表示が変わらないときは、リンク・VLAN・CDP設定・保持時間を疑う
  • 便利だが、不要な区間では情報露出を増やす可能性がある

2-2. TLV(Type-Length-Value)フォーマットとは?

CDP(Cisco Discovery Protocol)のメッセージは、TLV(Type-Length-Value)という形式で情報を詰め込んでいます。これは難しそうに見えますが、仕組みはシンプルです。つまり、「何の情報か(Type)」「どれくらいの長さか(Length)」「中身(Value)」の3点セットでデータを並べているだけです。

2-2-1. TLVを一言でいうと「タグ付きの箱」

TLVは、複数の情報を柔軟に詰めるための“箱”のルールです。CDPでは、例えば次のような情報がTLVで表現されます。

  • 機器名(Device ID)
  • 機種(Platform)
  • OS/ソフトウェア情報(Version)
  • 管理用IPアドレス
  • 接続ポート情報(相手・自分のインターフェース)

つまり、CDPメッセージは「いろいろなTLVの集合体」です。

2-2-2. TLVがあると何がうれしいのか

TLV形式のメリットは、情報の追加や拡張がしやすい点です。したがって、機器やOSの世代が違っても、基本部分は共通で解釈でき、追加要素は「分からなければ無視する」といった運用ができます。

ブログ記事として読者に伝えるなら、メリットはこの2点に集約できます。

  • 拡張しやすい:新しい種類の情報を追加しやすい
  • 壊れにくい:知らないTypeがあっても、既知の部分は読めることが多い

2-2-3. TLVを表で理解する

TLVを“目で見て”理解しやすいように、簡易表にします。

項目意味例(イメージ)
Typeこれは何の情報か「Device ID」「Port ID」など
Lengthこの情報の長さ何バイト分のデータか
Value実データ機器名、ポート名、IPなど

つまり、Typeで種類が分かり、Lengthで切り出せるので、Valueの解釈が安定します。だからこそCDP(Cisco Discovery Protocol)は、さまざまな情報を一つのメッセージにまとめて運べます。


2-3. CDP v1とCDP v2の違い

CDP(Cisco Discovery Protocol)にはバージョンがあり、よく言及されるのがv1とv2です。結論から言うと、v2の方が情報表現や機能面で拡張されており、運用の現場ではv2前提で語られることが多いです。

ただし、読者が知りたいのは「違いの細部」よりも「何が変わって、運用にどう影響するか」です。そこで、要点を噛み砕いて整理します。

2-3-1. 違いは「運べる情報の拡張」と「互換性の考え方」

v2は、v1で扱っていた基本情報に加えて、より多様な情報を運べるように設計が拡張されています。つまり、TLVの種類が増えたり、情報の表現が改善されたりする方向です。

運用目線でのイメージは次の通りです。

  • v1:基本的な隣接情報の共有が中心
  • v2:追加のTLVや拡張情報も扱いやすい

2-3-2. ざっくり比較表

細かい仕様を暗記するより、ブログでは「読者の判断に役立つ粒度」でまとめるのが効果的です。

観点CDP v1CDP v2
目的基本的な隣接情報の共有追加情報・拡張を含む共有
情報表現最低限のTLV中心TLV拡張が前提になりやすい
実務への影響古い機器で遭遇することがある現行運用ではこちらが前提になりがち

したがって、読者が押さえるべき結論は「新しめの環境ではv2を前提に理解してよいが、混在環境では見える情報が揃わないことがある」という点です。

2-3-3. バージョン差で「見え方が違う」時の考え方

もしCDP(Cisco Discovery Protocol)の表示項目が機器によって違う、あるいは期待した情報が出ない場合は、次の観点で疑うと整理しやすいです。

  • 機器の世代やOSが違い、対応TLVが異なる
  • 片側だけ設定で制限されている(インターフェース単位の制御など)
  • そもそも隣接関係が成立していない(リンク/VLAN/トランク問題)

つまり、「CDPが壊れている」と決めつける前に、v1/v2や対応情報の差を疑うのが現実的です。

CDP(Cisco Discovery Protocol)のメリットと用途

CDP(Cisco Discovery Protocol)は「隣接機器の情報が見える」だけの機能に見えますが、実務ではそれ以上の価値があります。

なぜなら、ネットワーク運用で時間を取られるのは、だいたい「現状が分からない」「原因が絞れない」「正しい設定か確認できない」という3つだからです。

したがって、CDPを適切に使うと、構成把握・障害対応・運用自動化の土台が一気に整います。

ここでは、代表的な活用シーンを3つに分けて解説します。


3-1. ネットワークのトポロジー把握への活用

ネットワーク運用で最初に欲しいのは「どこに何がつながっているか」という地図です。CDP(Cisco Discovery Protocol)は、この地図作りを短時間で助けます。つまり、各機器のポートから「相手が誰か」を収集すれば、接続関係を逆算できるからです。

3-1-1. トポロジー把握でCDPが強い理由

手作業のトポロジー把握は、図面の更新漏れ・ラベル不備・配線変更の追従遅れで破綻しがちです。一方でCDPは、実際の接続から情報が出てくるため、現状に近い形で把握できます。

  • 変更が入っても、隣接情報として反映されやすい
  • 現地に行かなくても、ポート単位で相手が分かる
  • 物理的な接続と論理的な接続(ポート情報)を結び付けやすい

したがって、棚卸しや構成監査の効率が上がります。

3-1-2. 実務の「あるある」をCDPで短縮する

トポロジー把握でよくある課題と、CDP(Cisco Discovery Protocol)が効くポイントを対応表にします。

よくある課題何が起きるかCDPでどう助かるか
図面が古い実態と一致しない隣接機器情報で現状確認できる
配線が追えない現地調査が必要ポートの相手が分かる
機器名が統一されていない判別に時間がかかるDevice IDや機種情報が手がかりになる

つまり、CDPは「調査の入り口」を作るのが得意です。

3-1-3. トポロジー把握のコツ

CDP(Cisco Discovery Protocol)を地図作りに活かすなら、次の観点で見ると整理しやすいです。

  • まずはコア/ディストリビューションから隣接を洗い出す
  • 次にアクセススイッチ側でポート対応(上位接続)を確認する
  • 最後に末端(電話・APなど)へ広げる

その結果、全体像が段階的に埋まっていきます。


3-2. 設定ミスや物理接続問題の検出

CDP(Cisco Discovery Protocol)が本当に頼れるのは、障害や違和感が出たときです。なぜなら、CDPは「隣にいるはずの相手」が見える・見えないという形で、状況の変化を直接表すからです。

3-2-1. 物理接続トラブルの早期発見

例えば、ケーブルが抜けた・誤ったポートに挿した・中間機器が変わった、などの物理要因は、CDPの隣接関係が変化します。つまり、表示の変化は物理層寄りの異常のサインになりえます。

  • いつも見える隣接機器が消えた
  • 見える相手のポートが変わった
  • 想定外の機器名が出てきた

こうした変化を見たら、まず配線やポートの取り違えを疑うのが定石です。

3-2-2. 設定ミスの切り分けに効くポイント

物理はつながっているのに通信が不安定、というときは設定要因が疑われます。CDP(Cisco Discovery Protocol)はレイヤ2で動くため、ルーティング以前の問題を切り分ける助けになります。

よくある例を挙げると、次のようなケースです。

  • トランク/アクセスの設定が想定と違う
  • VLANの許可設定が変わった
  • ネイティブVLANの不一致がある

CDPで隣接が見えているなら「少なくとも隣とは直接つながっている」可能性が高い、という判断材料になります。したがって、調査範囲を早く絞れます。

3-2-3. 障害対応で使えるチェック観点(箇条書き)

CDP(Cisco Discovery Protocol)を使って切り分けるときは、次の順で見ると混乱しにくいです。

  • 隣接機器が見えるか(見えなければリンク/ポート/CDP設定)
  • 見えるなら「相手が想定通りか」(誤接続の可能性)
  • ポート情報が正しいか(接続先ポートの取り違え)
  • 機器情報が急に変わっていないか(交換・迂回接続の可能性)

つまり、CDPは「異常を疑う入口」を作ってくれます。


3-3. IP電話やVLAN情報との連携

CDP(Cisco Discovery Protocol)はスイッチ間だけでなく、IP電話や無線APなどのエッジ機器でも活躍します。特に分かりやすいのが、IP電話の導入・運用における連携です。なぜなら、音声用VLANなど、端末が迷いやすい設定を“自動で伝える”用途があるからです。

3-3-1. IP電話運用でCDPが役立つ場面

オフィスのIP電話では、データ用VLANと音声用VLANを分ける構成がよくあります。このとき、電話機側が音声VLANを正しく理解できないと、通話できない・品質が悪いなどの問題に直結します。

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、環境によっては以下のような情報連携に使われます。

  • 音声VLANに関する情報の通知
  • 端末の識別(どのポートにどの電話がいるか)の補助
  • 移設時の調査(席替えなど)を簡単にする手がかり

つまり、端末側の設定負担を減らし、導入・移設をスムーズにします。

3-3-2. VLAN運用の「見える化」にも効く

VLANは論理設定なので、見えないまま運用するとミスに気付きにくい領域です。したがって、CDPの隣接情報にVLAN関連の要素が見える環境では、設定の妥当性確認に役立つことがあります。

  • そのポートがどの用途(電話/PC/上位接続)なのか推測しやすい
  • 端末移動や配線変更時の“現状把握”が早い
  • VLAN設計のレビュー時に、接続実態の手がかりになる

3-3-3. 注意点:便利な情報ほど露出リスクも増える

ここは重要なので、メリットとセットで押さえたい点です。CDP(Cisco Discovery Protocol)が提供する情報は運用に便利ですが、同時に「ネットワーク内部のヒント」になり得ます。だから、IP電話や来客端末など“境界”に近い場所では、CDPをどこまで有効にするかを設計として決める必要があります。

  • 社内端末向けポートで必要最小限に使う
  • 外部に接続されうるポートでは無効化を検討する
  • 代替としてLLDPを含めた運用方針を整理する

つまり、CDPの活用は「便利だから全部ON」ではなく、「必要な場所だけON」が現実的です。

CDP(Cisco Discovery Protocol)の設定方法(Cisco IOS)

CDP(Cisco Discovery Protocol)は、Cisco IOSで比較的シンプルに設定できます。ただし「便利だから有効化」だけで進めると、情報露出のリスクや不要なポートへの広告(アナウンス)まで広がりがちです。したがって、基本は「必要な範囲だけ有効にする」という考え方が安全で実務的です。

ここでは、Global設定(全体のON/OFF)、インターフェース単位の制御、そして確認に必須のshowコマンドを順番に解説します。


4-1. Global設定:CDPの有効化 / 無効化

Global設定は「装置全体としてCDP(Cisco Discovery Protocol)を動かすかどうか」を決めます。まずはここを押さえると、インターフェース設定の理解もスムーズになります。

4-1-1. CDPを有効化する(全体ON)

CDPを全体で有効にする基本コマンドは次の通りです。

(config)# cdp run

すでにデフォルトで有効な機種・環境もあります。つまり、「設定した覚えがないのにCDPが動いている」こともあるので、最初に状態確認をするのが安全です。

4-1-2. CDPを無効化する(全体OFF)

装置全体でCDPを止めるなら、次のコマンドです。

(config)# no cdp run

ただし、全体OFFにすると運用上のメリット(隣接把握、切り分け)が一気に失われます。したがって、現場では「全体OFF」よりも「必要なポートだけON、不要なポートはOFF」という運用が選ばれやすいです。

4-1-3. Global設定はこう判断すると失敗しにくい

判断基準を、実務でよくある方針として整理します。

  • コア/ディストリビューションなど、ネットワーク機器間の接続はCDPを活かす価値が高い
  • 外部につながる可能性がある装置は、まず全体方針(ONにするか)を慎重に決める
  • 迷う場合は、GlobalはONのまま、インターフェース単位で絞る方が運用しやすい

つまり、Global設定は「大枠の方針」、インターフェース設定は「具体的な適用範囲」と考えると理解しやすいです。


4-2. インターフェース単位でのCDP制御

インターフェース単位の制御は、CDP(Cisco Discovery Protocol)運用の要です。なぜなら、危険になりやすいのは「全部のポートで隣接情報を広告してしまう」状態だからです。したがって、外部接続や端末接続など、用途が違うポートごとに制御します。

4-2-1. 特定ポートでCDPを無効化する

あるポートだけCDPを止めたい場合の基本コマンドは次の通りです。

(config)# interface GigabitEthernet0/1
(config-if)# no cdp enable

この設定は「装置全体としてCDPは動いているが、このポートでは送受信しない」という意味合いになります。つまり、実務で最もよく使う制御方法です。

4-2-2. 特定ポートでCDPを有効化する

逆に、ポート単位でCDPを有効にする場合は次の通りです(無効化していたものを戻すイメージ)。

(config)# interface GigabitEthernet0/1
(config-if)# cdp enable

4-2-3. どのポートでOFFにすべきか(目安)

ポート単位の方針は、次の分類で考えると迷いにくいです。

  • ネットワーク機器同士の接続(上位・下位スイッチ間、ルータ接続)
    • CDP(Cisco Discovery Protocol)のメリットが大きいので、ONにすることが多い
  • 端末接続(PC、プリンタなど)
    • 原則はOFF寄り。ただし運用方針により判断
  • 外部とつながる可能性があるポート(インターネット側、他社接続、来客用など)
    • 情報露出の観点からOFFを強く検討

つまり、「見えると便利」な範囲と、「見えると困る」範囲を分けるのがコツです。


4-3. showコマンドでの確認方法

設定を入れたら、次は必ず確認です。CDP(Cisco Discovery Protocol)は“動いているか”だけでなく、“どの情報が見えているか”まで確認して初めて安心できます。

4-3-1. CDPが装置全体で動作しているか確認する

まずはGlobalの状態を確認します。

# show cdp

ここで、CDPが有効かどうか、送信間隔などの概要が確認できます。つまり、「そもそもCDPが止まっている」原因を最初に潰せます。

4-3-2. 隣接機器の一覧を確認する(基本)

隣接機器をざっくり一覧するなら、これが基本です。

# show cdp neighbors

ここでは、隣接している相手の機器名や、ローカル/リモートのポート情報など、トポロジー把握に直結する情報が見えます。

4-3-3. 詳細情報(IPやOS情報など)を確認する

「相手の管理IPは?」「機種やOSは?」まで確認したい場合は詳細表示を使います。

# show cdp neighbors detail

障害対応や構成調査では、このdetailが特に役立ちます。したがって、覚えるなら「neighbors」と「neighbors detail」をセットにしておくと便利です。

4-3-4. どのインターフェースでCDPが有効か確認する

「このポートはCDPを止めたはずなのに見える」など、挙動に違和感があるときは、インターフェース単位の状態確認が重要です。

# show cdp interface

これで、どのインターフェースがCDP送受信の対象なのかを整理できます。

4-3-5. よくある“見えない”トラブルのチェックリスト

CDP(Cisco Discovery Protocol)が期待通りに見えないときは、次の順で確認すると切り分けが早いです。

  • GlobalでCDPが有効か(show cdp
  • 対象ポートでCDPが有効か(show cdp interface
  • そもそもリンクはUpか(インターフェース状態)
  • 相手がCDP対応/CDP有効か(相手側の設定・機種差)
  • VLAN/トランク設定変更で隣接が崩れていないか

つまり、CDPの問題に見えても、実際はリンクやポート設定が原因のことが多いです。

CDP(Cisco Discovery Protocol)と他のプロトコル比較

CDP(Cisco Discovery Protocol)を理解すると、次に気になるのが「LLDPと何が違うのか」「SNMPとはどう使い分けるのか」「そもそもCDPが使えない環境ではどうするのか」です。つまり、運用の現場では“どれが正解か”ではなく、“状況に合わせて組み合わせる”ことが求められます。

ここでは、CDP(Cisco Discovery Protocol)を軸に、よく比較されるプロトコルを整理し、読者が迷わない判断基準を作ります。


5-1. LLDP(Link Layer Discovery Protocol)との違い

LLDP(Link Layer Discovery Protocol)も、CDP(Cisco Discovery Protocol)と同じく隣接機器を発見するためのプロトコルです。したがって、目的は似ていますが、考え方と適用範囲が異なります。

5-1-1. いちばん大きい違いは「ベンダ依存か標準か」

ブログ読者が最初に押さえるべき結論はここです。

  • CDP(Cisco Discovery Protocol):Cisco中心の仕組み(ベンダ色が強い)
  • LLDP:標準化された仕組み(マルチベンダで使いやすい)

つまり、Cisco機器が多い環境ならCDPが便利になりやすく、マルチベンダ環境ならLLDPが扱いやすい傾向があります。

5-1-2. 使い分けの実務目線(どっちを選ぶ?)

次のように考えると判断しやすいです。

  • Cisco機器だけで閉じたネットワーク
    • CDP(Cisco Discovery Protocol)で運用を揃えると、隣接情報が取りやすい
  • 複数ベンダが混在するネットワーク
    • LLDPを中心にすると、機器が違っても同じ発想で管理できる
  • 境界ポート(外部接続や来客用など)
    • どちらでも情報露出のリスクはあるため、必要性を見て無効化を検討

したがって、「環境の構成」と「情報を出してよい範囲」の2軸で決めるのが堅実です。

5-1-3. CDPとLLDPの比較表

違いを一気に整理したい方向けに、運用で効く観点だけ表にまとめます。

観点CDP(Cisco Discovery Protocol)LLDP
位置づけCisco中心標準(マルチベンダ)
主用途隣接機器の把握、切り分け隣接機器の把握、統一運用
導入判断Cisco比率が高いほど有利混在環境で有利
注意点情報露出の管理が必要情報露出の管理が必要

つまり、「どちらも便利だが、出していい場所だけで使う」が共通の鉄則です。


5-2. CDPとSNMPの連携と役割分担

CDP(Cisco Discovery Protocol)とSNMPは、どちらも運用管理でよく登場します。しかし、役割ははっきり違います。だから、比較というより「役割分担」を理解した方が早いです。

5-2-1. CDPは“隣”を見る、SNMPは“広く”監視する

イメージで言うとこうです。

  • CDP(Cisco Discovery Protocol):隣にいる相手を教えてくれる(近距離の見える化)
  • SNMP:機器の状態や統計を集めて監視する(広域の見える化)

つまり、CDPはトポロジー把握や接続確認に強く、SNMPは稼働監視や性能監視に強い、という関係です。

5-2-2. 連携すると運用が楽になる理由

CDP(Cisco Discovery Protocol)とSNMPを組み合わせると、監視の精度とスピードが上がります。なぜなら、CDPで「誰が隣か」を知っておくことで、SNMPで集めた情報をネットワークのつながりに沿って解釈できるからです。

例えば、こんな連携が実務で効きます。

  • CDPで隣接関係を把握し、障害時に影響範囲を推定する
  • SNMPでインターフェースエラーや帯域利用率を監視し、原因の当たりを付ける
  • 構成図(トポロジー)と監視アラートを紐づけて、一次切り分けを短縮する

その結果、「アラートが出たが、どの系統が原因か分からない」という時間を減らせます。

5-2-3. 役割分担を表で整理

CDP(Cisco Discovery Protocol)とSNMPが混同されやすいので、実務での使いどころを表にします。

やりたいこと向いているのは?理由
隣接機器・接続先を知りたいCDP(Cisco Discovery Protocol)隣接情報を直接取得できる
障害の影響範囲を素早く推定したいCDP+SNMPつながり(CDP)と状態(SNMP)を合わせて判断
CPU/メモリ/IFエラーを常時監視したいSNMP定期収集・閾値監視に強い
構成図の自動化を進めたいCDP+SNMP(+LLDP)接続情報と機器情報を統合できる

つまり、「CDPで地図を作り、SNMPで健康状態を測る」と覚えると迷いません。


5-3. CDPが使えない場面・代替手段

CDP(Cisco Discovery Protocol)は便利ですが、いつでも使えるとは限りません。したがって、使えない理由を知り、代替手段を用意しておくことが実務では重要です。

5-3-1. CDPが使えない(使わない)代表例

代表的なケースを挙げます。

  • 相手がCisco機器ではない、またはCDP非対応
  • セキュリティ方針でCDPを無効化している(情報露出を避けたい)
  • 外部接続や境界ポートで出したくない(委託先・来客・インターネット側など)
  • ネットワーク機器ではない端末が多い(PC中心で得られる情報が薄い)

つまり、「環境の都合」と「運用方針」のどちらかでCDPが使えなくなることが多いです。

5-3-2. 代替手段の選び方(何で置き換える?)

代替は1つではありません。目的に応じて選ぶのがポイントです。

5-3-2-1. 隣接機器を知りたいなら:LLDP

マルチベンダ環境ではLLDPが第一候補です。CDP(Cisco Discovery Protocol)と同じ方向性で運用できるため、移行や併用もしやすいです。

5-3-2-2. 構成や状態を広く把握したいなら:SNMP

隣接そのものより、稼働状況や性能、エラーカウンタなどを見たいならSNMPが有効です。したがって、監視を主目的にするならSNMP中心になります。

5-3-2-3. 物理接続を追いたいなら:MACアドレス学習テーブル

「どのポートにどの端末がいるか」を見たい場合、スイッチのMACアドレス学習情報(いわゆるMACテーブル)が手がかりになります。つまり、CDPが効かないPC端末中心の環境でも現実的です。

5-3-2-4. 設計・棚卸しを補完したいなら:設定情報と台帳

最終的には、図面・設定・台帳の整備が効きます。なぜなら、CDP(Cisco Discovery Protocol)やLLDPは“今見えているもの”には強い一方、過去の変更理由や意図までは残らないからです。

5-3-3. 代替手段を一覧で整理

最後に、目的別に「何を使えばよいか」を一目で見えるようにします。

目的代替手段向いている状況
隣接機器の発見LLDPマルチベンダ、標準化したい
状態監視・性能監視SNMP監視システム連携、常時監視
端末の接続先確認MACアドレス学習情報PC中心、CDP/LLDPが効きにくい
運用の再現性・監査台帳・設定管理変更が多い、大規模運用

つまり、CDP(Cisco Discovery Protocol)が使えない場面でも「目的」を分解すれば、代わりは必ず用意できます。

CDP(Cisco Discovery Protocol)でよくある悩みと解決策

CDP(Cisco Discovery Protocol)は運用に便利な一方で、「セキュリティ的に不安だから止めたい」「なぜか隣接情報が見えない」といった悩みが必ず出てきます。

つまり、CDPは“使うか使わないか”だけでなく、“どこでどう使うか”が重要です。

ここでは、現場でよくある2つの悩みを、判断基準と手順に落とし込んで解決します。


6-1. CDPを無効にしたい/セキュリティ対策としての注意点

「CDP(Cisco Discovery Protocol)を無効にしたい」という相談はとても多いです。なぜなら、CDPは隣接機器に対して機器名・機種・ソフトウェア情報・管理IPなど、運用に便利な情報を広告するため、第三者にとっても“ネットワークのヒント”になり得るからです。

6-1-1. まず理解したいリスク:何が漏れる可能性があるのか

CDP(Cisco Discovery Protocol)で見えやすい情報を、リスクとセットで整理します。

CDPで見えやすい情報便利な理由セキュリティ上の懸念
機器名(Device ID)接続先がすぐ分かる命名規則から拠点や役割が推測されることがある
機種・OS情報(Platform / Version)保守や更新計画に便利脆弱性の当たりを付けられる手がかりになり得る
管理IP管理アクセスに便利管理ネットワークの存在を推測されることがある
接続ポート情報配線・切り分けに便利どこが上位か、経路の推測材料になることがある

つまり、「運用が楽になる情報」は、攻撃者にとっても価値がある場合があります。したがって、露出範囲の設計が必要です。

6-1-2. 全体OFFより“必要なポートだけON”が現実的

結論として、CDP(Cisco Discovery Protocol)は全体で無効化するよりも、インターフェース単位で制御する方が現場では扱いやすいです。なぜなら、機器間リンクではCDPがトラブルシュートに効く一方、端末や外部接続ではメリットが薄いことが多いからです。

運用でよく採用される方針は次の通りです。

  • コア〜アクセス間など、ネットワーク機器同士のリンクはON
  • 端末接続(PC、プリンタ)や来客・外部接続の可能性があるポートはOFF
  • 境界(WAN側、他社接続、DMZ周辺)は特に慎重に判断する

6-1-3. 実務で使える設定例(Cisco IOS)

CDP(Cisco Discovery Protocol)を止める方法は2通りです。目的に合わせて選びます。

6-1-3-1. 装置全体で無効化(慎重に)

(config)# no cdp run

ただし、これをすると機器間リンクでもCDPが使えなくなります。つまり、障害対応の手がかりも一緒に消える点に注意が必要です。

6-1-3-2. 特定インターフェースだけ無効化(推奨されやすい)
(config)# interface GigabitEthernet0/1
(config-if)# no cdp enable

したがって、基本はこの“ポート単位OFF”が安全と運用のバランスを取りやすいです。

6-1-4. セキュリティ対策としてのチェックリスト

CDP(Cisco Discovery Protocol)を無効化・制御するときは、次の観点で漏れなく確認すると安心です。

  • 外部接続や不特定多数が触れるポートでCDPが有効になっていないか
  • 機器名(ホスト名)に拠点名・用途・回線名などが露骨に入っていないか
  • 管理IPや管理VLANが推測されやすい設計になっていないか
  • 代替としてLLDPを使う場合も、同様に露出範囲を制御できているか

つまり、「CDPを止める」だけでなく「命名・設計・運用」をセットで見直すのが、セキュリティとして効きます。


6-2. CDPで情報が見えない・不整合がある時のチェックポイント

CDP(Cisco Discovery Protocol)が“見えない”とき、原因はCDPそのものではなく、リンクやポート設定にあることが多いです。だから、手当たり次第に設定を変えるより、確認順序を決めて潰す方が早く直ります。

6-2-1. まずは症状を分類する

同じ「見えない」でも、実際は症状が違います。つまり、症状を分けると原因も絞れます。

  • まったく隣接が表示されない
  • 一部のポートだけ表示されない
  • 表示はあるが、相手の情報が欠けている(IPが出ない等)
  • 相手が違う/ポート情報が怪しい(不整合)

6-2-2. 切り分けの黄金順(上から順に確認)

現場で効くチェック順を、短い手順にまとめます。

6-2-2-1. GlobalでCDPが有効か

# show cdp

ここでCDPが無効なら、当然隣接は見えません。

6-2-2-2. 対象ポートでCDPが有効か

# show cdp interface

ポート単位でno cdp enableが入っていると、そのポートでは見えなくなります。

6-2-2-3. 物理リンクがUpか

CDP(Cisco Discovery Protocol)はレイヤ2のため、リンクが落ちていれば見えません。

したがって、インターフェースのUp/Downは最優先で確認します(コマンドは環境により運用標準が異なるため割愛しますが、インターフェース状態の確認がポイントです)。

6-2-2-4. 相手側がCDP対応/CDP有効か

相手がCisco以外だったり、相手側でCDPが無効化されていたりすると、期待通りに表示されません。

つまり、片側だけ見える・情報が薄い、といった現象につながります。

6-2-2-5. “表示のタイミング”によるズレを疑う

CDPは定期送信・一定時間保持です。だから、差し替え直後やリンク復旧直後は、表示が更新されるまで時間差が出ることがあります。

つまり、「今すぐ出ない=壊れている」とは限りません。

6-2-3. 不整合があるときの原因パターン

「見えるけどおかしい」ケースは、次の原因が多いです。

  • 配線の取り違えで、想定外の機器がつながっている
  • 中間に別のスイッチや変換器が入っており、見えている相手が“直近”になっている
  • 機器交換・ポート変更が行われたが、図面や台帳が追従していない
  • 相手側の命名規則や設定が統一されておらず、判別しづらい

したがって、CDP(Cisco Discovery Protocol)の出力は“真実の可能性が高い現場情報”として扱い、図面・台帳との矛盾が出たら現地の変更を疑うのが近道です。

6-2-4. 確認に役立つ代表コマンド(まとめ)

最後に、CDP確認でよく使うコマンドを一覧にします。

  • 概要確認
    • show cdp
  • 隣接一覧
    • show cdp neighbors
  • 詳細(IP、機種、OSなど)
    • show cdp neighbors detail
  • インターフェース単位の有効/無効確認
    • show cdp interface

つまり、この4つを押さえるだけで、CDP(Cisco Discovery Protocol)のトラブルの大半は整理できます。

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