セキュリティ

次世代ファイアウォールとは何か?導入のメリットと注意点をわかりやすく解説!


次世代ファイアウォールは、従来のファイアウォールよりも高度なセキュリティ対策を実現し、多彩な機能による柔軟性の向上や高速処理によるネットワークの高速化も可能となっています。

しかし、その導入には注意点もあります。導入コストの見積もりや必要な人材の確保、ネットワーク構成の見直しなどが必要です。

そこで本記事では、次世代ファイアウォールの基礎知識から導入にあたっての注意点、市場動向についても解説していきます。

外資系エンジニア

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 次世代ファイアウォールとは何か知りたい人
  • 従来のファイアウォールと次世代ファイアウォールの違いが知りたい人
  • 次世代ファイアウォールを導入する上での注意点が知りたい人

次世代ファイアウォールと従来のファイアウォールの違いについて

1-1. 次世代ファイアウォール(NGFW)とは何か?

次世代ファイアウォール(NGFW)は、従来のファイアウォールに比べて高度なセキュリティ対策を実現するための新しい技術です。

具体的には、アプリケーション制御、脅威インテリジェンス、URLフィルタリング、メールセキュリティ、SSLインスペクションなど、多彩な機能が備わっています。

1-2. 従来のファイアウォールとは何か?

従来のファイアウォールは、パケットフィルタリングやポート制限などの基本的な機能を持ったネットワークセキュリティ技術です。

パケットフィルタリングでは、IPアドレスやポート番号などを用いて、ネットワーク上の通信を制御します。

一方、ポート制限では、インターネットからの不正な接続を防ぐために、必要なポート以外の通信を遮断します。

1-3. 次世代ファイアウォールと従来のファイアウォールの違いは何か?

従来のファイアウォールは、パケットフィルタリングやポート制限による単純な制御しかできませんでしたが、次世代ファイアウォールは、アプリケーション制御、脅威インテリジェンス、URLフィルタリング、メールセキュリティ、SSLインスペクションなど、多彩な機能によって高度なセキュリティ対策が可能になりました。

また、次世代ファイアウォールは、通信の暗号化を解読して通信内容を確認するSSLインスペクション機能を備えているため、マルウェアや脅威の検知・防止にも効果的です。

次世代ファイアウォールの主な機能について

2-1. アプリケーション制御

アプリケーション制御は、ネットワーク上で使用されるアプリケーションを特定して、制御する機能です。

例えば、社員が仕事で使用するアプリケーションについては許可し、個人情報の漏洩などにつながるアプリケーションについてはブロックすることができます。

また、SNSや音楽配信サイトなど、社員が仕事中に利用すべきでないアプリケーションについても制御することができます。

2-2. 脅威インテリジェンス

脅威インテリジェンスは、インターネット上に存在する脅威情報を収集・分析し、それを元にネットワークのセキュリティ対策を強化する機能です。

具体的には、マルウェアやスパムメールの情報をリアルタイムで収集して、次世代ファイアウォール上で検知・ブロックすることができます。

2-3. URLフィルタリング

URLフィルタリングは、WebサイトのURLを指定して、アクセス制御をする機能です。

例えば、アダルトサイトや不適切なコンテンツを含むWebサイトなど、セキュリティ上のリスクが高いと判断されるサイトについてはアクセスを制限することができます。

2-4. メールセキュリティ

メールセキュリティは、社内外から送信されるメールに対して、スパムメールやウイルスメールの検知・ブロックを行う機能です。

また、送信元の認証や暗号化などのセキュリティ対策も行うことができます。

2-5. SSLインスペクション

SSLインスペクションは、通信の暗号化を解読して通信内容を確認する機能です。

SSL暗号化された通信は、通常のファイアウォールでは中身を見ることができないため、マルウェアや脅威の検知・防止が困難になりますが、SSLインスペクションを備えた次世代ファイアウォールは、この問題を解決することができます。

次世代ファイアウォールの導入メリットについて

3-1. より高度なセキュリティ対策が可能

従来のファイアウォールは、パケットフィルタリングによって、単純な通信制御を行っていました。しかし、近年のインターネット上の脅威や攻撃手法は、ますます高度化・複雑化しています。次世代ファイアウォールは、アプリケーション制御や脅威インテリジェンスなどの機能を備えることで、より高度なセキュリティ対策が可能となります。

・アプリケーション制御 次世代ファイアウォールは、アプリケーションレベルでの通信制御が可能です。従来のファイアウォールでは、ポート番号やプロトコルなどで通信を制御していましたが、次世代ファイアウォールは、アプリケーション名やアプリケーションの動作を判別して通信制御を行うことができます。これにより、Webアプリケーションの不正利用や、マルウェアによる通信などをブロックすることができます。

・脅威インテリジェンス 次世代ファイアウォールは、脅威情報を収集する機能を備えています。マルウェアやサイバー攻撃の動向をリアルタイムで把握することで、攻撃を予防・検知することができます。また、インターネット上で共有されている脅威情報を元に、より高度な脅威検知が可能となります。

・URLフィルタリング 次世代ファイアウォールは、URLフィルタリング機能を備えています。インターネット上のWebサイトへのアクセスを制御することができ、社内ネットワークでのインターネット利用制限や、不適切なWebサイトへのアクセスを防止することが可能です。URLフィルタリング機能は、特定のカテゴリー(アダルト、ゲーム、ソーシャルネットワークなど)や特定のWebサイト、特定のIPアドレス、ドメイン名などをブロックすることができます。これにより、社内での生産性向上やセキュリティ向上につながります。

また、次世代ファイアウォールは、脅威インテリジェンスに基づいたURLフィルタリングも行います。脅威インテリジェンスとは、サイバー攻撃やマルウェアの動向などを収集・分析することで、セキュリティ対策に役立てる情報のことです。次世代ファイアウォールは、脅威インテリジェンスに基づいて、不正なWebサイトへのアクセスを防止することができます。

URLフィルタリング機能は、特に企業や教育機関、官公庁などで利用されることが多く、インターネットの利用を制限することで、情報漏えいやセキュリティ侵害を防止することができます。しかし、個人利用においては、プライバシーの問題などもあり、注意が必要です。

3-3. 高速処理によるネットワークの高速化

従来のファイアウォールでは、パケットの解析や検査に時間がかかるため、ネットワークの速度に影響を与えることがありました。

しかし、次世代ファイアウォールは高度なハードウェアやアルゴリズムを使用しているため、高速で効率的にパケットを処理することができます。

これにより、ネットワークの帯域幅を最大限に活用し、遅延やパフォーマンスの低下を最小限に抑えることができます。

また、高速処理により、大量のトラフィックを処理する場合でも、ネットワークのパフォーマンスに影響を与えることがなくなります。

このように、次世代ファイアウォールは高速処理によるネットワークの高速化を実現することで、ビジネスプロセスのスピードアップや生産性の向上につながることが期待されています。

次世代ファイアウォールの導入にあたっての注意点について

4-1. 導入コストの見積もり

次世代ファイアウォールの導入には、ハードウェアやソフトウェア、ライセンス料などのコストがかかります。

そのため、事前に導入コストの見積もりを行うことが重要です。

また、後々のメンテナンスやアップグレードにかかるコストも考慮して、長期的な視野で導入費用を見積もることが必要です。

4-2. 導入に必要な人材の確保

次世代ファイアウォールの導入には、専門知識を持つ人材が必要です。

ネットワークエンジニアやセキュリティエキスパートなど、導入に必要なスキルを持った人材を確保することが重要です。

また、導入後の運用や管理に必要な人材も確保することを忘れずに考えてください。

4-3. ネットワーク構成の見直し

次世代ファイアウォールを導入する場合、従来のファイアウォールとは異なる機能を備えています。

そのため、ネットワーク構成を見直す必要があります。特に、アプリケーション制御やSSLインスペクションを利用する場合は、トラフィックのルートやフローの設計を再検討する必要があります。

適切なネットワーク構成を設計することで、次世代ファイアウォールの機能を最大限に活用することができます。

次世代ファイアウォールの市場動向について

5-1. 世界的な次世代ファイアウォール市場規模

次世代ファイアウォール市場は、企業におけるサイバーセキュリティの必要性の高まりにより、急速に成長しています。

市場調査会社によると、2019年の次世代ファイアウォール市場規模は約50億ドルであり、2025年には約100億ドルに達すると予測されています。

5-2. 主要ベンダーのシェアランキング

市場を牽引する主要ベンダーとしては、シスコ、ジュニパーネットワークス、パロアルトネットワークス、フォーティネット、シマンテックなどが挙げられます。

これらの企業は、独自の技術や製品ラインナップによって市場シェアを拡大しています。

また、新興企業も次世代ファイアウォール市場に参入しており、市場はますます競争が激化しています。

5-3. 市場予測に関する調査結果

市場調査会社によると、次世代ファイアウォール市場は今後も急速に成長し、2025年までに年平均成長率(CAGR)が約12%に達すると予測されています。

この成長は、サイバーセキュリティの重要性がますます高まることや、クラウドサービスの利用増加、IoTの拡大などによるものと考えられます。

今後も次世代ファイアウォール市場は拡大し、新たなセキュリティ課題に対応するために、より高度な機能や柔軟性の向上が期待されています。

まとめ

今回のトピックは「次世代ファイアウォール」についてでした。まずは、「次世代ファイアウォールとは何か?」という問いについて解説しました。次世代ファイアウォールは、従来のファイアウォールよりも高度なセキュリティ対策が可能で、アプリケーション制御、脅威インテリジェンス、URLフィルタリング、メールセキュリティ、SSLインスペクションなどの機能が備わっています。

次に、次世代ファイアウォールの導入メリットについて説明しました。高度なセキュリティ対策が可能になることや、多彩な機能による柔軟性の向上、高速処理によるネットワークの高速化などが挙げられます。

次に、「次世代ファイアウォールの導入にあたっての注意点」を解説しました。導入コストの見積もりや、導入に必要な人材の確保、ネットワーク構成の見直しなどが必要になります。

最後に、「次世代ファイアウォールの市場動向」について説明しました。世界的な次世代ファイアウォール市場規模や、主要ベンダーのシェアランキング、市場予測に関する調査結果などがあります。

次世代ファイアウォールは、企業にとって重要な情報セキュリティ対策の一つとして注目されています。しかし、導入にあたっては慎重な検討が必要です。適切な導入によって、企業の情報セキュリティの向上につながることが期待されます。