「セキュリティ業界でキャリアアップしたい!でも、CISSPやCCSPって本当に必要?」
そんな疑問を抱えていませんか?
ISC2の認定資格は、サイバーセキュリティ業界で信頼される国際資格のひとつ。しかし、**「どの資格を取るべき?」「試験は難しい?」「年収は本当に上がる?」**と悩む人も多いはず。
本記事では、ISC2資格の種類やメリット、試験対策、キャリアへの影響まで徹底解説!あなたの疑問を解消し、最適なキャリア選択をサポートします。
この記事は以下のような人におすすめ!
- ISC2とは何か知りたい人
- CISSPやCCSPの試験対策方法がわからない人
- ISC2の資格を維持する方法が知りたい人
目次
ISC2とは何か
サイバーセキュリティの分野でキャリアを築くなら、「ISC2(International Information System Security Certification Consortium)」という名前を耳にしたことがあるかもしれません。
ISC2は、サイバーセキュリティの専門資格を提供する世界的な団体で、特に**CISSP(Certified Information Systems Security Professional)**の認定で知られています。
本記事では、ISC2の概要、歴史、そして提供する主要な認定資格について詳しく解説します。
1-1. ISC2の概要
ISC2(International Information System Security Certification Consortium)は、サイバーセキュリティの専門家の認定資格を提供する国際的な非営利団体です。
1989年に設立され、現在では世界中で50万人以上のメンバーを抱えています。
特に、企業のセキュリティ管理やリスクマネジメントに関わる専門家にとって、ISC2の認定資格は業界標準とされています。
ISC2は、以下のような目的で活動しています。
- サイバーセキュリティの専門知識を認定する
- 継続的な学習とスキル向上を支援する
- セキュリティ業界のベストプラクティスを確立する
現在、ISC2が提供する認定資格にはCISSP、CCSP、SSCPなどがあります。
これらの資格を取得することで、セキュリティの専門家としての信頼性を証明し、キャリアアップの大きな武器となるでしょう。
1-2. ISC2の歴史と目的
ISC2は、1989年に設立されました。
当時、サイバーセキュリティに関する国際的な認定資格がほとんど存在しなかったため、統一された基準を設ける目的で誕生しました。
1-2-1. ISC2設立の背景
1980年代後半から1990年代にかけて、企業や政府機関がコンピューターネットワークのセキュリティ対策を強化し始めました。
しかし、セキュリティエンジニアのスキルを客観的に証明できる仕組みが不足していました。
そこで、サイバーセキュリティの専門家が集まり、**「グローバルで通用する認定資格を作ろう」**と設立されたのがISC2です。
1-2-2. ISC2の目的
ISC2の目的は、「サイバーセキュリティの専門家のスキルを認定し、業界全体のセキュリティレベルを向上させること」です。
これを実現するために、ISC2は以下の活動を行っています。
- 国際的に認められた資格試験を提供する
- サイバーセキュリティに関する研究や啓発活動を行う
- 資格取得者向けに継続教育(CPE)を提供する
現在、ISC2の資格を持つエンジニアは世界中の企業で活躍しており、特にCISSPは「サイバーセキュリティのゴールドスタンダード」とも呼ばれるほど評価が高い資格です。
1-3. ISC2が提供する主な認定資格
ISC2は、初心者から上級者まで幅広い層を対象とした認定資格を提供しています。
以下、代表的な資格を紹介します。
1-3-1. CISSP(Certified Information Systems Security Professional)
CISSPは、ISC2が提供する最も有名な資格で、情報セキュリティの専門家としての総合的なスキルを証明するものです。
試験範囲はリスク管理、アクセス制御、暗号技術など多岐にわたり、5年以上の実務経験が必要とされるため、高度な資格と位置付けられています。
1-3-2. CCSP(Certified Cloud Security Professional)
CCSPは、クラウド環境におけるセキュリティに特化した資格です。クラウドの利用が一般化する中、企業ではクラウドセキュリティの専門家が求められています。
AWSやAzureなどのクラウド環境を安全に運用するための知識が問われるため、クラウドエンジニアやセキュリティ担当者に人気があります。
1-3-3. SSCP(Systems Security Certified Practitioner)
SSCPは、セキュリティの運用・管理を担当する技術者向けの資格です。
ネットワークやシステムのセキュリティ運用を行うエンジニアに最適で、CISSPの入門版とも言われています。
1-3-4. その他のISC2認定資格
- CSSLP(Certified Secure Software Lifecycle Professional)
→ ソフトウェア開発におけるセキュリティを重視した資格。DevSecOpsやセキュアコーディングを学びたい人向け。 - HCISPP(HealthCare Information Security and Privacy Practitioner)
→ 医療業界のセキュリティとプライバシーに特化した資格。電子カルテや医療システムのセキュリティ管理を行う人向け。
主要なISC2認定資格
ISC2(International Information System Security Certification Consortium)は、サイバーセキュリティ分野における世界的な認定資格を提供する団体です。
特に、CISSPやCCSPといった資格は、セキュリティの専門家にとって必須ともいえる存在です。
本章では、ISC2が提供する主要な認定資格について詳しく解説します。
2-1. CISSP(Certified Information Systems Security Professional)
CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、ISC2の中でも最も有名で影響力のある資格の一つです。
世界中の企業や政府機関が、CISSPを持つセキュリティ専門家を高く評価しています。
2-1-1. CISSPの特徴と対象者
CISSPは、情報セキュリティ全般を網羅する総合的な資格です。
セキュリティポリシーの策定、リスク管理、アクセス制御、暗号技術など、幅広い分野をカバーしており、5年以上の実務経験が必要とされるため、上級者向けの資格と言えます。
この資格は特に、以下のような職種の人におすすめです。
- セキュリティエンジニア
- セキュリティアナリスト
- セキュリティコンサルタント
- ITマネージャー
2-1-2. CISSP試験の内容
CISSPの試験は、以下の8つのドメインから構成されています。
- セキュリティとリスク管理
- 資産のセキュリティ
- セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング
- 通信とネットワークのセキュリティ
- アイデンティティとアクセス管理(IAM)
- セキュリティ評価とテスト
- セキュリティ運用
- ソフトウェア開発セキュリティ
2-1-3. CISSP取得のメリット
- 業界での認知度が高い(世界中の企業で評価されている)
- 年収アップの可能性が高い(CISSP取得者は高給の傾向あり)
- サイバーセキュリティの専門知識が総合的に学べる
2-2. CCSP(Certified Cloud Security Professional)
CCSP(Certified Cloud Security Professional)は、クラウド環境に特化したセキュリティ資格です。
企業のクラウド移行が進む中、クラウドセキュリティの専門家が求められており、CCSPはその需要に応える形で誕生しました。
2-2-1. CCSPの対象者
CCSPは、特に以下のような職種の人に向いています。
- クラウドエンジニア
- セキュリティアーキテクト
- クラウドセキュリティの専門家
2-2-2. CCSP試験の内容
CCSP試験は、以下の6つのドメインから構成されています。
- クラウドコンピューティングのコンセプトとアーキテクチャ
- クラウドデータセキュリティ
- クラウドプラットフォームとインフラストラクチャのセキュリティ
- クラウドアプリケーションのセキュリティ
- クラウドセキュリティオペレーション
- 法的、リスク、コンプライアンス(LRC)
2-2-3. CCSP取得のメリット
- クラウド環境のセキュリティスキルを証明できる
- AWSやAzureなどのクラウドセキュリティ対策に活かせる
- クラウドの導入が進む企業での需要が高い
2-3. SSCP(Systems Security Certified Practitioner)
SSCP(Systems Security Certified Practitioner)は、セキュリティ運用に関わる技術者向けの資格です。
CISSPが管理職向けなのに対し、SSCPは実務に携わるエンジニア向けの資格となっています。
2-3-1. SSCPの対象者
SSCPは、特に以下のような職種の人におすすめです。
- セキュリティエンジニア
- ネットワークエンジニア
- システム管理者(IT管理者)
2-3-2. SSCP試験の内容
SSCP試験は、以下の7つのドメインで構成されています。
- アクセス制御
- セキュリティオペレーションと管理
- リスク識別、監視、分析
- ネットワークと通信のセキュリティ
- システムとアプリケーションのセキュリティ
- 暗号技術
- インシデント対応と復旧
2-3-3. SSCP取得のメリット
- CISSPよりもハードルが低く、実務経験が1年でOK
- ネットワークやシステムのセキュリティ運用スキルを証明できる
- CISSP取得のステップとして活用できる
2-4. その他の認定資格(CSSLP、HCISPPなど)
ISC2は、上記の資格以外にも、特定分野に特化した資格を提供しています。
2-4-1. CSSLP(Certified Secure Software Lifecycle Professional)
CSSLPは、ソフトウェア開発におけるセキュリティを重視する資格です。
DevSecOpsやセキュアコーディングに関心がある人に最適です。
2-4-2. HCISPP(HealthCare Information Security and Privacy Practitioner)
HCISPPは、医療業界のセキュリティとプライバシー管理に特化した資格です。
病院や医療システムのセキュリティ対策を担当する人に向いています。
CISSP認定資格の詳細
CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、ISC2が提供する最も権威ある情報セキュリティ資格の一つです。
CISSPは、セキュリティの設計、実装、管理に関する高度な知識とスキルを証明する資格であり、企業や政府機関での信頼度が高いことでも知られています。
本章では、CISSPの受験資格、試験内容、学習方法、そして取得後のキャリアパスについて詳しく解説します。
3-1. CISSPの受験資格と要件
CISSPの資格を取得するには、一定の実務経験が求められます。
また、試験に合格するだけでなく、ISC2の倫理規定を遵守し、正式な認定手続きを完了する必要があります。
3-1-1. CISSP受験資格
CISSPの受験資格は、以下のいずれかを満たしていることが求められます。
- 情報セキュリティ分野で5年以上の実務経験があること
(CISSPの8つのドメインのうち、2つ以上に関連する経験が必要) - 実務経験が4年でもOKな場合
→ ISC2が認める資格(例:CEH、CISA、Security+ など)を持っていると、1年の免除が可能
3-1-2. 実務経験が不足している場合
もし5年の実務経験がない場合でも、「アソシエイト(Associate of ISC2)」として登録することで、試験に合格後に実務経験を積みながら正式なCISSP認定を取得できます。
3-2. CISSP試験の内容と出題範囲
CISSP試験は、情報セキュリティのあらゆる分野をカバーする包括的な試験です。
試験の形式や出題範囲を事前に理解しておくことで、効率的に学習を進めることができます。
3-2-1. CISSP試験の概要
- 試験形式: CAT(Computer Adaptive Testing、コンピュータ適応型試験)
- 問題数: 100〜150問(選択問題)
- 試験時間: 4時間
- 合格基準: 700点以上(1000点満点)
- 試験言語: 日本語対応あり
3-2-2. CISSPの出題範囲
CISSP試験は、ISC2が定める「CBK(Common Body of Knowledge)」の8つのドメインから出題されます。
- セキュリティとリスク管理
- 資産のセキュリティ
- セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング
- 通信とネットワークのセキュリティ
- アイデンティティとアクセス管理(IAM)
- セキュリティ評価とテスト
- セキュリティ運用
- ソフトウェア開発セキュリティ
この中でも、リスク管理・ネットワークセキュリティ・IAMの分野は頻出問題が多いため、重点的に学習することが重要です。
3-3. CISSPの学習方法とおすすめ教材
CISSPは範囲が広く、独学での合格は難しいとされています。そのため、効率的な学習計画を立てることが不可欠です。
3-3-1. CISSPの学習ステップ
- ISC2公式のCISSP CBKを熟読する
→ 出題範囲を把握し、理解を深める - 問題集を解いて試験形式に慣れる
→ 実践的な演習を通じて知識を定着させる - 模擬試験を受けて弱点を補強する
→ 700点以上を取れるようになるまで反復学習
3-3-2. CISSPおすすめの教材
CISSP対策には、以下の教材が役立ちます。
- (ISC2公式)CISSP Certified Information Systems Security Professional Official Study Guide
→ 公式テキストであり、試験範囲を網羅している - CISSP Practice Exams(模擬試験集)
→ 過去問に近い問題が多数掲載されている - オンライン講座(Udemy、Courseraなど)
→ 動画で学べるため、独学が苦手な人に最適
特に、問題演習を繰り返すことが合格の鍵です。
3-4. CISSP取得後のキャリアパス
CISSPを取得すると、情報セキュリティ業界でのキャリアアップが大きく広がります。
企業からの信頼度も高く、転職や昇進のチャンスが増えます。
3-4-1. CISSP取得者の主な職種
CISSP取得後に目指せる職種は以下の通りです。
- セキュリティエンジニア
→ システムやネットワークのセキュリティ対策を担当 - 情報セキュリティマネージャー
→ 企業のセキュリティ戦略を立案・管理 - CISO(Chief Information Security Officer)
→ 企業の最高情報セキュリティ責任者として活躍 - セキュリティコンサルタント
→ 顧客企業向けにセキュリティアドバイスを提供
3-4-2. CISSP取得のメリット
- 給与の向上: CISSP取得者は年収が上がる傾向にある
- グローバルで通用する: 世界中でCISSP取得者は高く評価される
- キャリアの選択肢が広がる: 上級管理職やコンサルタントへの道も開かれる
CISSPは、セキュリティ業界で長く活躍したい人にとって必須の資格といえるでしょう。
ISC2認定資格の取得メリット
サイバーセキュリティ分野でキャリアを築くなら、ISC2の認定資格は大きな武器になります。
CISSPをはじめとするISC2の資格は、世界中の企業や組織から高く評価されており、取得することでキャリアアップや収入増加の可能性が高まります。
本章では、ISC2認定資格が業界でどのように評価されているのか、取得することでどのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。
4-1. 業界での認知度と評価
ISC2の資格は、サイバーセキュリティ分野で国際的に最も権威のある資格の一つとして認識されています。
特に、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、**「情報セキュリティのゴールドスタンダード」**とも呼ばれ、世界中の企業や政府機関から高く評価されています。
4-1-1. 企業が求めるISC2資格
近年、多くの企業がサイバーセキュリティの強化を急務としており、ISC2資格を持つ人材の採用を重視する傾向が強まっています。
特に、以下の分野ではISC2の資格取得者が優遇されることが多いです。
- 金融業界: 顧客データの保護が最優先されるため、CISSPやCCSP保持者が求められる
- IT・クラウド業界: クラウド環境のセキュリティ強化に向けてCCSP取得者が活躍
- 政府・公的機関: セキュリティコンプライアンスの観点から、ISC2資格保持者の配置が義務化されることも
4-1-2. ISC2資格の国際的な信頼性
ISC2は世界中の組織と提携しており、資格取得者は国境を越えて通用するスキルを持つと認識されています。
特に、欧米ではCISSPやCCSPの資格が採用要件として指定されていることが多く、グローバルなキャリアを目指すならISC2資格は必須と言えるでしょう。
4-2. キャリアアップと給与への影響
ISC2の資格は、単なるスキル証明にとどまらず、キャリアアップや収入増加に直結する強力なツールです。
4-2-1. ISC2資格取得者の年収傾向
サイバーセキュリティ専門職は、他のIT職種と比較して高年収の傾向があります。
特に、CISSPなどのISC2資格を取得すると、給与の大幅な増加が期待できます。
ISC2資格を取得した人の年収例(世界的な平均)
- CISSP: 平均年収 約1,300万円(米国)/ 約800万円(日本)
- CCSP: 平均年収 約1,200万円(米国)/ 約750万円(日本)
- SSCP: 平均年収 約900万円(米国)/ 約600万円(日本)
※年収は経験や業界によって変動しますが、ISC2資格の取得が収入向上につながるのは間違いありません。
4-2-2. ISC2資格が昇進に与える影響
ISC2の資格は、単に転職市場での競争力を高めるだけでなく、社内での昇進にも大きく貢献します。特に、CISSP取得者はセキュリティ責任者(CISO)やマネージャー職への昇進がしやすくなります。
- CISSP取得者: 情報セキュリティ責任者(CISO)、セキュリティマネージャー
- CCSP取得者: クラウドセキュリティアーキテクト、クラウド戦略責任者
- SSCP取得者: セキュリティエンジニア、ネットワークセキュリティ管理者
サイバーセキュリティの重要性が高まる中、ISC2資格を持つことで「この人は信頼できる」と認識され、責任あるポジションを任されやすくなります。
4-3. 専門家ネットワークへのアクセス
ISC2の資格を取得すると、世界中のサイバーセキュリティ専門家とつながる機会が増えます。
これにより、最新のセキュリティ動向を学び、キャリアの可能性を広げることができます。
4-3-1. ISC2のグローバルコミュニティ
ISC2は、資格取得者向けにさまざまなイベントやフォーラムを開催しています。
- ISC2セキュリティカンファレンス: 最新のサイバーセキュリティトレンドを学べるイベント
- ISC2公式フォーラム: 世界中の資格保持者と情報交換ができるオンラインコミュニティ
- 地域ごとのISC2チャプター: 各国・地域ごとに活動するセキュリティ専門家のグループ
4-3-2. CPE(継続教育ポイント)の取得機会
ISC2の資格を維持するには、CPE(Continuing Professional Education)ポイントを取得する必要があります。
CPEポイントは、セミナー参加、論文執筆、オンライン講座受講などを通じて取得できます。
- CISSPの維持要件: 3年間で120CPEポイントの取得
- CCSPの維持要件: 3年間で90CPEポイントの取得
この継続教育制度のおかげで、ISC2資格保持者は常に最新のセキュリティ技術を学び続けることができます。
ISC2の継続的専門教育(CPE)プログラム
ISC2の認定資格を取得した後も、サイバーセキュリティの専門家としてのスキルを維持・向上させるためには、継続的な学習が不可欠です。
そのため、ISC2ではCPE(Continuing Professional Education)プログラムを導入し、資格保持者が常に最新の知識を身につけられるようサポートしています。
本章では、CPEの概要と必要性、具体的なCPEクレジットの取得方法、そして実際のCPE活動の例について詳しく解説します。
5-1. CPEの概要と必要性
CPE(Continuing Professional Education)とは、ISC2認定資格を維持するために必要な継続教育プログラムです。
資格を取得しただけでは終わらず、最新のセキュリティ動向を学び続けることが、セキュリティ専門家としての責任となります。
5-1-1. CPEの目的
CPEプログラムの目的は、以下の3点に集約されます。
- 最新のサイバーセキュリティ知識を習得し、実務に活かす
- 資格取得者の専門性を維持し、業界内での価値を高める
- ISC2認定資格の信頼性を維持する
5-1-2. 資格ごとのCPE要件
ISC2の主要な資格には、3年間で一定のCPEクレジット(単位)を取得することが義務付けられています。
資格名 | 3年間で必要なCPEクレジット |
---|---|
CISSP | 120 CPE |
CCSP | 90 CPE |
SSCP | 60 CPE |
CPE要件を満たさないと、資格の維持ができなくなるため、資格取得後も計画的にCPEを取得することが重要です。
5-2. CPEクレジットの取得方法
CPEクレジットは、ISC2が認める学習活動を行うことで取得できます。
資格を維持するためには、計画的にCPEを取得し、ISC2の公式ポータルに申請する必要があります。
5-2-1. CPEクレジットの取得基準
CPEクレジットは、主に以下の2つのカテゴリーに分類されます。
- Group A(専門分野関連): セキュリティに直接関係する活動(例:セミナー、論文執筆、トレーニング受講など)
- Group B(一般的なプロフェッショナルスキル): コミュニケーションスキルやリーダーシップスキル向上のための活動
資格ごとの最低要件
例えば、CISSPの場合、120 CPEのうち少なくとも80 CPEはGroup Aに該当する必要があります。
5-2-2. CPEクレジットの申請方法
CPEクレジットを取得したら、ISC2のメンバーポータルにログインし、オンラインで申請する必要があります。
具体的な手順は以下の通りです。
- ISC2公式サイトにログイン
- 「CPEクレジットの申請」ページを開く
- 活動内容(セミナー受講、記事執筆など)を入力
- 必要に応じて証明書をアップロード
- 申請完了後、ISC2の承認を待つ
申請の際には、受講証明書や参加証明書を保持しておくとスムーズです。
5-3. CPE活動の例(イベント参加、記事執筆など)
CPEクレジットを取得する方法は多岐にわたります。
ここでは、効率的にCPEを取得するための具体的な活動例を紹介します。
5-3-1. セミナーやイベントへの参加
CPEクレジットを取得する最も一般的な方法は、セキュリティ関連のイベントやセミナーに参加することです。
- ISC2主催のセミナーやウェビナー(無料のものもあり)
- Black Hat、DEF CON、RSA Conference などの国際カンファレンス
- 日本国内のセキュリティフォーラム(JNSA、JSOCなど)
例: ISC2のウェビナーに参加し、1時間の講義を受けると 1 CPE が取得できます。
5-3-2. 記事執筆・ブログ投稿
情報セキュリティに関する技術記事やブログを執筆することも、CPEクレジットの取得対象になります。
- 技術ブログにセキュリティ関連の記事を投稿
- 企業の社内向けにセキュリティレポートを作成
- 業界誌や技術メディアでの寄稿記事を執筆
例: 1,000文字以上の記事を執筆すると 2 CPE 取得可能。
5-3-3. オンラインコースの受講
Udemy、Coursera、Pluralsight などのオンラインプラットフォームで、サイバーセキュリティ関連のコースを受講することもCPE取得に有効です。
- ISC2公式のCPE対象オンラインコース
- MIT、Stanfordなどの大学提供の無料セキュリティ講座
- サイバーセキュリティ関連の新技術に関するトレーニング
例: 1時間のオンライン講座受講で 1 CPE 取得可能。
5-3-4. ボランティア活動
ISC2のチャプター活動や、サイバーセキュリティの教育支援を行うことでCPEを取得できます。
- ISC2のチャプター(地域グループ)での活動
- 学校やコミュニティでのセキュリティ教育活動
- 脆弱性発見やバグ報告の貢献(Bug Bountyなど)
例: 4時間のボランティア活動で 4 CPE 取得可能。
最新のサイバーセキュリティ動向とISC2の取り組み
サイバーセキュリティの世界は日々進化し、新たな脅威が次々と現れています。
ISC2は、セキュリティ専門家向けに最新の脅威情報を提供し、教育プログラムやイベントを通じて業界の発展を支えています。
本章では、現在のサイバーセキュリティの脅威、ISC2が主催するセミナーやイベント、最新のニュースについて詳しく解説します。
6-1. 最新のサイバーセキュリティ脅威と対策
サイバー攻撃は年々巧妙化し、企業や個人を狙った高度な手口が増えています。
ISC2の専門家は、最新の脅威を分析し、効果的な対策を提供することで、セキュリティ業界を支援しています。
6-1-1. ランサムウェア攻撃の進化
ランサムウェアは、近年最も深刻なサイバー脅威の一つです。
特に「二重恐喝型ランサムウェア(Double Extortion)」が増加しており、データを暗号化するだけでなく、盗み出した情報を公開すると脅迫する手口が用いられています。
対策:
- バックアップの強化(オフラインバックアップの導入)
- ゼロトラストセキュリティの導入(最小権限アクセスの徹底)
- 従業員のセキュリティ教育(フィッシング攻撃への注意喚起)
6-1-2. AIを活用した攻撃の増加
AI技術の発展により、サイバー犯罪者もAIを活用した攻撃を実施しています。
たとえば、「AIによるフィッシング詐欺」は、人間そっくりの音声やテキストを使い、ターゲットを騙す高度な手法です。
対策:
- AIを活用した異常検知システムの導入
- 多要素認証(MFA)の適用
- 従業員向けのAI詐欺対策トレーニングの実施
6-1-3. クラウド環境の脆弱性
クラウドサービスの利用拡大に伴い、設定ミスやAPIの脆弱性を狙った攻撃が増加しています。
特に、クラウド環境への不正アクセスは、企業にとって大きなリスクとなっています。
対策:
- クラウドセキュリティの強化(CCSP資格取得者の活用)
- クラウド設定の定期的な監査
- ゼロトラストネットワークの適用
ISC2は、こうした最新のサイバー脅威に対応するために、CISSPやCCSPの資格プログラムを通じて、専門家の育成を推進しています。
6-2. ISC2主催のイベントやセミナー情報
ISC2は、世界中のセキュリティ専門家が最新の情報を学び、交流できるイベントやセミナーを定期的に開催しています。
これらのイベントに参加することで、業界の最新トレンドを把握し、専門家としてのスキルを向上させることができます。
6-2-1. ISC2 Security Congress
ISC2 Security Congressは、ISC2が毎年開催する最大規模のサイバーセキュリティカンファレンスです。
世界中のセキュリティ専門家が集まり、最新の技術、脅威、対策について議論します。
主な内容:
- 最新のサイバー攻撃手法と防御策
- ゼロトラストアーキテクチャの実践
- AIとサイバーセキュリティの融合
6-2-2. ISC2 Webinars(オンラインセミナー)
ISC2は、定期的にオンラインセミナー(ウェビナー)を開催しており、最新のセキュリティトピックについて学ぶことができます。
最近の人気ウェビナー例:
- 「クラウドセキュリティの最新動向(CCSP特集)」
- 「ランサムウェア攻撃の新潮流と対策」
- 「CISSP取得者向けキャリアアップセミナー」
6-2-3. 地域ごとのISC2チャプターイベント
ISC2は、世界各地で「ISC2チャプター」と呼ばれる地域コミュニティを運営しています。
これにより、各地域の専門家同士がネットワークを構築し、最新情報を共有できます。
参加メリット:
- ローカルのセキュリティ専門家と交流できる
- 最新のサイバー脅威に関する情報を得られる
- CPE(継続教育ポイント)を取得できる
6-3. ISC2の最新ニュースとアップデート
ISC2は、資格制度の更新や新しいセキュリティトレンドに対応するために、定期的にニュースやアップデートを発表しています。
6-3-1. CISSP試験の最新変更点
ISC2は、CISSP試験の内容を定期的に見直し、最新のセキュリティトレンドに対応する形でアップデートしています。
2024年のCISSP試験変更点には、以下のようなポイントが含まれています。
- ゼロトラストアーキテクチャに関する出題強化
- クラウドセキュリティ(CCSPとの連携)に関する新トピック追加
- リモートワーク環境におけるセキュリティ管理の強化
6-3-2. 新資格「ISC2 CC」の登場
ISC2は、2023年に新たな資格「ISC2 Certified in Cybersecurity(CC)」を発表しました。
これは、サイバーセキュリティ未経験者向けの入門資格であり、業界に新たに参入する人々にとって最適な資格となっています。
ISC2 CCの特徴:
- 受験資格なし(初心者でもOK)
- 基本的なサイバーセキュリティスキルを学べる
- CISSPやSSCPへのステップアップに最適
6-3-3. ISC2の今後の展望
ISC2は、サイバーセキュリティ業界の変化に合わせて、資格試験の内容を進化させるとともに、より多くの人にセキュリティ教育を提供することを目指しています。
特に、クラウド、AI、ゼロトラストなどの分野を強化し、サイバーセキュリティ専門家のスキル向上を支援していく方針です。