この記事では、ブルートフォースアタックの種類や手法、対策方法などについて解説し、セキュリティを強化するための具体的なアドバイスを紹介します。
ネットワーク管理者やセキュリティ担当者はもちろん、個人でも実践できるセキュリティ対策をぜひ参考にしてください。
目次
ブルートフォースアタックとは
1-1. ブルートフォースアタックの定義とは
ブルートフォースアタックは、多数のパスワードを自動的に総当たりで試行する攻撃手法の一つです。
攻撃者は、ユーザー名やメールアドレスなどの情報を入手した上で、多数のパスワードを自動的に試行して正しいものを探し出します。
単純であるために比較的簡単に実行でき、多くの場合成功する可能性が高いとされています。
1-2. ブルートフォースアタックの種類
ブルートフォースアタックには、主に以下の3種類があります。
あらかじめ用意された辞書ファイルを使用して、よく使われるパスワードや単語の組み合わせを試行する攻撃手法です。
すべての文字の組み合わせを順番に試行する攻撃手法です。
この攻撃手法は、パスワードの長さが増えるほど試行回数が増え、攻撃に要する時間が長くなります。
辞書攻撃と総当たり攻撃を組み合わせた攻撃手法です。
辞書攻撃で一定期間試行しても正しいパスワードが見つからない場合は、総当たり攻撃に切り替えることができます。
これらの攻撃手法は、攻撃者が利用するツールによって実行され、多くの場合自動化されています。
ブルートフォースアタックの手法
2-1. 辞書攻撃とは
辞書攻撃は、事前に用意された辞書ファイルに含まれる単語や短いフレーズなどの組み合わせを自動的に試行する攻撃手法です。
攻撃者は、一般的なパスワードやよく使われる単語を含んだ辞書ファイルを使用して、パスワードの総当たり攻撃を行います。
2-2. 総当たり攻撃とは
総当たり攻撃は、すべての文字の組み合わせを順番に試行する攻撃手法です。
攻撃者は、あらかじめ決められた文字セット(アルファベット、数字、記号など)を使用して、パスワードのすべての可能性を総当たりで試行します。
2-3. ハイブリッド攻撃とは
ハイブリッド攻撃は、辞書攻撃と総当たり攻撃を組み合わせた攻撃手法です。
攻撃者は、まず辞書攻撃を使用して一定期間試行し、正しいパスワードが見つからない場合は、総当たり攻撃に切り替えることができます。
ブルートフォースアタック対策方法
3-1. パスワードの強化
ブルートフォースアタックを防ぐためには、強固なパスワードを使用することが重要です。
以下の点に留意しましょう。
長いほど推測が難しくなります。8文字以上、できれば12文字以上を目安にしましょう。
大文字小文字、数字、記号を組み合わせることで、辞書攻撃に対する耐性を向上させます。
ただし、難しすぎるパスワードは記憶が難しくなるため、適度なバランスを見つけましょう。
定期的にパスワードを変更することで、漏洩していた場合に被害を最小限に抑えることができます。
3-2. ロックアウト機能の設定
ログイン試行回数の制限を設けることで、ブルートフォースアタックを防ぐことができます。
以下の方法で設定できます。
ログイン試行回数が一定回数を超えた場合、アカウントを一時的にロックアウトするように設定します。
ロックアウト期間を設定し、一定期間経過するまではアカウントにログインできないようにします。
ロックアウトされた際に通知を受け取るように設定することで、不正ログインを検知しやすくします。
3-3. セキュリティ対策の強化
セキュリティ対策を強化する方法として、ネットワーク上の通信を暗号化することが挙げられます。
Webサイトにアクセスする場合は、HTTPSを使用することが重要です。HTTPSを使用することで、通信内容が暗号化され、中間者攻撃を防止することができます。
IDS(Intrusion Detection System)やIPS(Intrusion Prevention System)などのセキュリティシステムを導入することも有効です。
これらのシステムは、不正なアクセスを検知し、自動的にアクセスを遮断することでセキュリティを強化します。
パスワードだけでなく、別の認証情報(例:SMSや認証アプリ)を使用することで、セキュリティを強化することができます。
セキュリティに関する情報を従業員に教育することで、社員のセキュリティ意識を高めることも大切です。
ブルートフォースアタックに関する注意点
4-1. 非合法的な使用について
ブルートフォースアタックは、悪意のある人物が不正な目的で使用することができるため、法的に許容されない場合があります。
例えば、パスワードを推測することで、不正なアクセスを行う場合や、不正なプログラムの開発に利用する場合などがあります。
そのため、ブルートフォースアタックは法律に違反しない範囲で使用することが重要です。
不正な目的で使用する場合は、重大な法的な問題に直面することになるため、絶対に行わないようにしましょう。
4-2. テスト目的での利用について
一方、ブルートフォースアタックは、セキュリティテストの一環として合法的に使用することができます。
ブルートフォースアタックは、実際の攻撃に似た環境下でのテストを行うことができるため、有効なツールとして使用されることがあります。
ただし、テスト目的での利用においても、事前に正当な許可を得る必要があります。
まとめ
- ブルートフォースアタックとは、パスワードや暗号化されたデータを解読する攻撃方法の一つ。
- 辞書攻撃、総当たり攻撃、ハイブリッド攻撃が一般的な手法である。
- ブルートフォースアタックに対する対策方法として、パスワードの強化、ロックアウト機能の設定、2要素認証の使用が推奨される。
- ブルートフォースアタックに関する注意点として、非合法的な使用は犯罪になる可能性があるため、テスト目的での利用に限定することが重要である。