Wi-Fiのマークは出ているのに、「インターネットなし」と表示されてWebページが開かない。

急いでいるときほど、どこが悪いのか分からず困ってしまいますよね。

この表示は、Wi-Fiまではつながっていて、その先のどこかで止まっているというサインです。

この記事では、止まっている場所を順番に絞り込む方法を図解で紹介します。

Study SECの外資系エンジニアのアイコン
外資系エンジニア

この記事は以下のような人におすすめ!

  • Wi-Fiに接続済みなのに「インターネットなし」と出て困っている人
  • ルーターの再起動のほかに何を確かめればよいか知りたい人
  • 家族や職場の人に原因をきちんと伝えたい人

「インターネットなし」はどこで止まっているかのサイン

1-1. Windowsが「インターネットなし」と判断する仕組み

Windowsの画面右下にあるネットワークのアイコンは、NCSI(ネットワーク接続状態インジケーター)という仕組みが表示を決めています。

NCSIは、いまのネットワークからインターネットまで出られるのか、家や社内のネットワークの中だけなのかを判断する役目を持っています。

アプリがそれぞれ接続の状態を調べなくてすむように用意された、OS共通の仕組みでもあります。

Windows 11では、NCSIはネットワーク一覧マネージャー(Network List Manager)というサービスの中で動いています。

判断のために、NCSIは「アクティブプローブ」と呼ばれる確認用の小さな通信を、Microsoftのサーバーへ送ります。

Windows 10以降では、確認はおおまかに次の順番で進みます。

  1. www.msftconnecttest.com という名前を、DNSでIPアドレスに変換する
  2. http://www.msftconnecttest.com/connecttest.txt というファイルを取りに行く
  3. ファイルの中身が「Microsoft Connect Test」になっているかを確かめる
  4. dns.msftncsi.com という名前も、DNSで変換できるかを確かめる
Windows 10以降のPCが、DNSでwww.msftconnecttest.comを変換し、connecttest.txtを取得し、中身がMicrosoft Connect Testかを確かめ、dns.msftncsi.comも変換できるかを確かめる4つの手順と、どれか1つでも失敗するとインターネットなしの警告が出ることを示した図
4つの確認のうち1つでも失敗すると、アイコンに警告が付きます。

このうちどれか1つでも失敗すると、タスクバーのアイコンに警告の印が付きます。

英語版の表示は「No connectivity」や「Limited Internet access」で、どの確認に失敗したかによって変わると説明されています。

日本語の画面では、「インターネットなし」のような言い回しで表示されます。

ここで大事なのは、DNSによる名前の変換も確認に含まれている点です。

つまり、Wi-Fiやルーターが正常でも、名前の変換でつまずけば「インターネットなし」と出ることがあります。

なお、NCSIはIPv4とIPv6の確認を並行して送り、どちらかが成功すればインターネットにつながっていると判断します。

また、ほかのアプリの通信がうまくいっているかを見て判断する「パッシブプローブ」も使われています(参考1)。

アクティブプローブで警告が出ても、パッシブプローブが成功すれば警告は消えます(参考2)。

表示が少し遅れて切り替わることもあると覚えておくと、慌てずにすみますよ。

1-2. 原因は4つの区間のどこかにある

インターネットにつながるまでの道のりを、4つの区間に分けて考えてみましょう。

Wi-Fiのアイコンが出ているなら、PCとWi-Fiの親機(ルーター)の間の電波はつながっています。

問題は、その先のどこで止まっているかです。

PCからWi-Fiルーター、ONUと回線、インターネットへ進む道のりを、①PCの設定、②Wi-Fiとルーター、③回線とプロバイダ、④名前を変換するDNSの4つの区間に分け、それぞれを何章で確かめるかを示した図
「インターネットなし」の原因は、この4つの区間のどこかに隠れています。
区間主な原因の例確かめる章
①PCIPアドレスを受け取れていない、手入力の設定の誤り3章
②Wi-Fi・ルータールーターの不調、つなぐWi-Fiの取り違え2章・4章
③回線・プロバイダ回線の障害、ONUや契約の問題2章・6章
④DNS名前をIPアドレスに変換できない4章

このほかに、ホテルや駅のWi-Fiのログイン画面や、会社のプロキシ(通信を中継するサーバー)も、同じ表示の原因になります(参考2)。

これらは2-3と5章で取り上げます。

上から順に確かめていけば、手当たり次第に設定を変えるよりも、ずっと早く原因にたどりつけます。

まず1分でできる最初の確認

2-1. ほかの端末もつながらないかを比べる

最初にやってほしいのは、同じWi-Fiにつないだほかの端末と比べることです。

スマホや別のPCで、同じWi-Fiからいつものページが開くかを見てみましょう。

家族のスマホなど、ふだん同じWi-Fiを使っている端末で試すと比べやすくなります。

スマホで試すときは、モバイルデータ通信をオフにしておくのがポイントです。

オンのままだと、Wi-Fiではなく携帯電話の回線でページが表示されてしまい、比べたことになりません。

同じWi-Fiにつないだスマホや別のPCもつながらないなら原因はルーターや回線、DNSなど共通の部分で2-2へ進み、ほかの端末はつながるなら原因はこのPCで3章のIPアドレス確認へ進むという分かれ道を示した図
ほかの端末の結果で、次に確かめる場所が変わります。

ほかの端末も開けないなら、原因はPCではなく、ルーターや回線、DNSといった共通の部分にある可能性が高くなります。

反対に、ほかの端末は問題なく開けるなら、原因はこのPCの設定や状態にしぼれます。

その場合は2-2の再起動を飛ばして、3章のIPアドレスの確認へ進むのが近道です。

比べる端末が手元にないときは、2-2から順に進めてください。

2-2. ルーターを再起動する前に、ランプと時刻をメモする

ほかの端末もつながらないとき、多くの人が最初に試すのがルーターの再起動です。

機器の一時的な不調であれば、再起動で状態がリセットされて直ることもあります。

ただ、再起動の前にひとつだけやっておいてほしいことがあります。

ルーターや、光回線の終端装置であるONUのランプの色と点き方を、スマホで撮っておくことです。

あわせて、つながらなくなった時刻もメモしておきましょう。

再起動で直らなかったとき、このメモがプロバイダや管理者に伝える大事な手がかりになります。

再起動するときは、次の点に気をつけてください。

  • 電源を入れ直す順番や待ち時間は、機器の説明書やプロバイダの案内に従う
  • 本体のリセットボタン(初期化)とは別物なので、押し間違えない
  • 初期化すると、Wi-Fiの名前やパスワードなどの設定が消えることがある

ルーターの「初期化」は最後の手段です。

設定が消えると、プロバイダの接続情報を入れ直さないとインターネットに出られなくなることがあります。

接続情報が手元にないときは、初期化する前にプロバイダや管理者に相談しましょう。

2-3. ホテル・駅・カフェのWi-Fiならログイン画面を探す

外出先のWi-Fiで「インターネットなし」と出たときは、まずログイン画面を疑いましょう。

ホテルや空港、カフェなどのWi-Fiには、利用規約への同意やログインが済むまで外に出られない仕組みがあります。

Microsoftも、こうした仕組みは空港や病院、カフェなどの公共の場所に多いと説明しています。

この仕組みは「キャプティブポータル」と呼ばれ、条件を満たすまで通信できる相手を限定するネットワークと定義されています。

条件を満たすと、インターネットなどのより広い相手と通信できるようになります(参考4)。

ホテルや駅のWi-Fiにつないだ直後はログイン画面にしか出られずインターネットなしと表示され、利用規約への同意やログインを済ませると外のインターネットに出られるようになるキャプティブポータルの流れを示した図
ログインが済むまでは、Wi-Fiにつながっていても外へは出られません。

Windowsは、ログインが必要なネットワークにつながると、既定のブラウザーを開いてログイン画面を表示しようとします。

ログインが済むまではインターネットに出られないため、その間は警告の表示が出たままになります。

ログインしてから数秒ほど使っていると、警告は消えると説明されています。

Microsoftは、ログインが必要なネットワークでこの警告が出るのは仕様どおりの動きだとしています(参考2)。

NCSIは、確認の通信への返事が期待した中身「Microsoft Connect Test」と違うことなどから、キャプティブポータルの内側にいると判断します(参考1)。

ブラウザーが自動で開かないときは、自分でブラウザーを開いて、何かWebページを表示してみてください。

それでもログイン画面が出ない場合は、施設の案内やスタッフに確かめるのが確実です。

入力する前に、施設が案内しているWi-Fiの名前と一致しているかを確かめておくと安心ですよ。

PCのIPアドレスを確かめる

3-1. ipconfig /allで見る3つの項目

ほかの端末はつながるのにこのPCだけダメなときは、PCがネットワークの住所を正しく受け取れているかを確かめます。

家庭や会社のネットワークでは、多くの場合、DHCPという仕組みでIPアドレスなどの設定が自動で配られています(参考6)。

家庭では、このDHCPサーバーの役目をルーターが担っていることがほとんどです。

受け取った設定は、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行すると表示できます。

コマンドプロンプトは、スタートボタンを押して「cmd」と入力し、検索結果に出てきたアプリを選ぶと開けます。

開いた黒い画面にコマンドを入力して、Enterキーを押せば実行されますよ。

ipconfig /all

ipconfig /allは、すべてのアダプターのTCP/IPの設定をまとめて表示するコマンドです(参考7)。

表示が長いので、「Wireless LAN adapter Wi-Fi」のように、Wi-Fiのアダプターの欄を探しましょう。

ipconfig /allの結果のうちWi-FiのアダプターでIPv4アドレス、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの3項目を見て、IPv4アドレスが169.254で始まっていないか、ゲートウェイとDNSサーバーが空欄でないかを確かめることを示した図
見るのは3項目だけで大丈夫です。表示の値は説明用の例です。

その欄で、次の3つの項目を見てください。

項目意味見るポイント
IPv4アドレスこのPCのネットワーク上の住所169.254で始まっていないか
デフォルトゲートウェイ外へ出るときの出口(ふつうはルーター)空欄になっていないか
DNSサーバー名前をIPアドレスに変換する問い合わせ先空欄になっていないか

日本語版のWindowsでは、それぞれ「IPv4 アドレス」「デフォルト ゲートウェイ」「DNS サーバー」のように表示されます。

3つとも値が入っていれば、PCはひとまず住所と出口と問い合わせ先を受け取れています。

その場合は4章に進んで、ルーターから先を確かめましょう。

ここで見たデフォルトゲートウェイの値は、4章のpingで使うのでメモしておいてください。

3-2. 169.254で始まるなら、IPアドレスを取り直す

IPv4アドレスが「169.254.」で始まっていたら、DHCPから住所を受け取れていないサインです。

169.254.0.0/16は、DHCPなどから設定を受け取れないときに、PCが自分で決めて使うための範囲として定められています。

このアドレスは「リンクローカルアドレス」と呼ばれ、同じネットワークにじかにつながった機器との通信にしか使えません。

もともとは、DHCPサーバーのない小さなネットワークでも、機器どうしが手作業の設定なしで通信できるように用意された仕組みです。

ルーターを越えて転送されないアドレスなので、これではインターネットに出られないのです(参考3)。

PCがルーターのDHCPに住所を求めても返事がないとき、PCが自分で169.254で始まるリンクローカルアドレスを付け、同じネットワーク内の機器とは話せてもルーターを越えたインターネットには出られないことを示した図
169.254の住所は、ルーターの向こうへは届きません。

まずは、次の2つのコマンドを順番に実行して、IPアドレスを取り直してみましょう。

ipconfig /release
ipconfig /renew

/releaseは今の設定を手放すことをDHCPサーバーに伝えて設定を捨て、/renewは設定をもう一度受け取り直すコマンドです(参考7)。

/releaseのあとは、/renewが終わるまでの間、そのアダプターでは通信できません。

別の場所から遠隔で操作しているPCでは、つながらなくなるので実行しないでください。

取り直したら、もう一度ipconfig /allで確かめます。

それでも169.254のままなら、ルーターのDHCPが応答していないか、ルーターまで正しくつながっていない可能性があります。

ルーターの再起動(2-2)を試し、ほかの端末も同じかどうかをあらためて比べてみてください。

また、IPアドレスを手入力で固定している場合は、その値がネットワークに合っていないこともあります。

心当たりがあれば、Wi-Fiの設定でIPの割り当てが「自動(DHCP)」になっているかを見直しましょう。

DHCPが住所を配る仕組みは、こちらの記事でくわしく紹介しています。

DHCPサーバーとは?仕組みや動作について初心者にもわかりやすく解説!DHCPサーバーの仕組みから導入方法、設定手順、よくあるトラブルの対処法などの応用テクニックまでを網羅的に解説。企業ネットワーク担当者にも役立つ実践的な内容を丁寧にまとめています。IPアドレスの自動割り当てに関する疑問や不安を解消し、ネットワーク運用の効率化と安定性向上を目指す方に最適な解説記事です。...

ルーターから先と名前解決を切り分ける

4-1. pingでルーターまで届くかを確かめる

IPアドレスを正しく受け取れているのに「インターネットなし」なら、次は通信がどこまで届くかを確かめます。

最初に使うのは、相手に確認の信号を送って返事を待つpingというコマンドです。

pingは、ICMPのエコー要求というメッセージを送り、返事が返ってきたかと往復の時間を表示します。

Microsoftの資料でも、接続や到達性、名前解決のトラブルを調べるときの基本のコマンドと位置づけられています。

まず、3-1でメモしたデフォルトゲートウェイ(ルーター)に送ってみましょう。

ping 192.168.1.1

192.168.1.1は説明用の例なので、自分のipconfigに出た値に置き換えてください。

返事が返ってくれば、PCからルーターまでは届いています。

返事がないと「Request timed out」と表示され、既定では4秒待っても返事がなかったことを示します(参考8)。

PCから順に、STEP1でルーターまで届くか、STEP2で名前をIPアドレスに変換できるか、STEP3でインターネット上のサーバーまで届くかを確かめ、どの段で止まったかで原因の場所が分かることを示した図
近いところから1段ずつ確かめると、止まっている場所が分かります。

ルーターまで届かないなら、PCとルーターの間に原因があると考えられます。

つないでいるWi-Fiの名前が、いつも使っている自宅や会社のものかを確かめてください。

名前の似た別のWi-Fiや、インターネットにつながっていない機器のWi-Fiに、自動でつながっていることもあります。

ただし、pingの返事が返らない理由はひとつではないので、この結果だけで故障と決めつけないようにしましょう。

次の4-2と4-3の結果と合わせて判断するのが安全です。

4-2. nslookupで名前解決だけを確かめる

ルーターまで届くのに表示が変わらないときは、DNSによる名前の変換(名前解決)を疑います。

1-1で見たとおり、NCSIの確認には名前解決が含まれているからです(参考2)。

名前解決だけを試すには、nslookupというコマンドを使います。

nslookup www.msftconnecttest.com

nslookupでは、1つ目に調べたい名前、2つ目に問い合わせ先のDNSサーバーを指定でき、2つ目を省くと既定のDNSサーバーに問い合わせます。

なお、nslookupとだけ入力すると対話モードに切り替わるので、終わるときはexitと入力します(参考5)。

IPアドレスが表示されれば、既定のDNSサーバーで名前解決はできています。

エラーやタイムアウトになる場合は、DNSサーバーそのものか、そこまでの経路でつまずいている可能性があります。

nslookupはDNSサーバーへ直接問い合わせるので、PCに残っている名前解決の記録(キャッシュ)を消しても結果は変わりません。

その場合は、ほかの端末でも同じかを比べて、ルーターやプロバイダのDNSサーバーの不調を疑いましょう。

反対に、nslookupでは名前を変換できるのにブラウザーでページが開かないときは、PCのキャッシュを消してみる価値があります。

ipconfig /flushdns

/flushdnsは、DNSのトラブルを調べるときに、たまった名前解決の記録を消して初期の状態に戻すコマンドです(参考7)。

実行したあとは、nslookupではなくブラウザーでページを開き直して、表示が変わるかを確かめてください。

DNSサーバーの仕組みそのものを知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

DNSサーバーとは?仕組みから設定・トラブル対処法までわかりやすく解説!DNSサーバーとは何かを初心者にもわかりやすく解説。基本の仕組み、レコード設定方法、エラー対処法、セキュリティ対策まで、実例や図解を交えて丁寧に紹介。ネットがつながらない原因や、正しいDNS設定のやり方が分からない方にも役立つ、トラブル防止に役立つ実用ガイドです。IT担当者やサイト運営者にも必見の内容です。...

4-3. Test-NetConnectionでまとめて確かめる

PowerShellのTest-NetConnectionというコマンドを使うと、まとめて確かめることもできます。

PowerShellは、スタートボタンを押して「PowerShell」と入力し、検索結果に出てきたアプリを選ぶと開けます。

Test-NetConnectionは、pingのテストやTCPの接続テストなどの診断情報を表示するコマンドです。

相手を指定せずに実行すると、Microsoftの既定のサーバー(internetbeacon.msedge.net)に対してpingのテストを行います。

Test-NetConnection -InformationLevel Detailed
Test-NetConnection -Port 80 -InformationLevel Detailed

1行目はpingのテスト、2行目は80番のポートへのTCPの接続テストを、くわしい表示で行います。

くわしい表示には、通信に使ったアダプターの名前(InterfaceAlias)や送信元のIPアドレス(SourceAddress)も出ます。

Wi-Fiのアダプターで通信しているかを確かめるのにも役立ちますよ。

インターネット上のサーバーまで届くかを調べた結果のうち、名前解決の結果にIPアドレスが出ていれば名前解決ができている、応答確認の行がTrueなら返事が返っている、ポート接続の行がTrueなら指定したポートへの接続が成功しているという3つの行の読み方を示した図
3つの行を見れば、名前解決から接続までを一度に確かめられます。

結果は、次の3つの行に注目すると読みやすくなります(参考9)。

  • NameResolutionResults:名前から変換されたIPアドレス(出ていなければ名前解決を疑う)
  • PingSucceeded:pingの返事が返ったか
  • TcpTestSucceeded:-Portで指定した番号(例では80番)への接続が成功したか

TcpTestSucceededがTrueなら、PCからインターネット上のサーバーまで、Webの通信が届いていると考えられます。

それでも表示だけが「インターネットなし」のままなら、少し時間をおいて見直しましょう。

パッシブプローブが成功すれば、警告は後から消えるからです(参考2)。

会社や学校のネットワークなら、次の5章で紹介するプロキシも疑ってみてください。

会社や学校のネットワークで出るとき

5-1. プロキシがあると確認の通信が通らないことがある

会社や学校では、インターネットへの通信をプロキシという中継役のサーバーに通している場合があります。

NCSIは保存されたプロキシの情報を使って確認の通信を送りますが、うまくいかないこともあります。

Microsoftは、よくある原因として次のようなケースを挙げています。

  • プロキシがあるのに、まだ見つけられていない
  • プロキシは見つかったが、確認の時点でたどり着けない
  • PACファイル(どのプロキシを使うかを決める設定ファイル)が、www.msftconnecttest.comを正しいプロキシに割り当てていない
  • プロキシそのものの設定が誤っている
会社のPCからの確認の通信がプロキシで止められて拒否の応答が返ると、NCSIはインターネットなしと判断し、管理者がポート80でmsftconnecttest.comとmsftncsi.comへの通信を許可すると確認が通るようになることを示した図
会社のネットワークでは、プロキシが確認の通信を止めていることがあります。

プロキシが確認の通信をブロックして、「403 Forbidden」という拒否の返事を返したときも、確認は失敗として扱われます。

Microsoftの英語の資料では、Windows 10の手動プロキシは[Settings]の中の[Proxy]にある[Manual proxy setup]で確認できると案内されています(参考1)。

日本語の画面では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」のような名前で表示され、Windows 11では画面の配置が違う場合があります。

会社のPCでは、その値が社内から案内されたものかを見るだけにして、自分では書き換えないようにしましょう。

プロキシのあるネットワークでは、警告が出たあとで消えたり、Windowsが既定のブラウザーでMSNのページを開いたりすることがあると説明されています。

管理者向けには、ポート80で「*.msftncsi.com」と「*.msftconnecttest.com」への通信を許可するよう案内されています(参考2)。

これは会社のネットワーク全体の設定なので、利用者が自分で変えるものではありません。

気になるときは、表示が出た時刻や場所をメモして、社内のヘルプデスクに相談しましょう。

プロキシの役割は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

プロキシサーバーとは Study SECの解説記事サムネイル
プロキシサーバーとは?仕組み・種類・Windowsでの設定と確認方法プロキシサーバーとは、利用者とWebサーバーの間で通信を代わりに中継するサーバーです。仕組みとCONNECT、フォワード・リバースなどの種類、Windowsとブラウザでの設定・確認方法、407などのエラー対処を図解します。...

5-2. 表示を消すために確認の仕組みを止めるのはやめておこう

ネットで調べると、レジストリやグループポリシーでNCSIの確認を止めて、警告を消す方法が見つかるかもしれません。

しかし、Microsoftはこの方法を勧めていません。

NCSIの確認を止めても、通信の問題そのものが直るわけではありません。

NCSIはOSのさまざまな機能やアプリが頼りにしていて、正しく動かないとOutlookがメールサーバーにつながらなかったり、Windows Updateが更新をダウンロードできなかったりすることがあります(参考2)。

Microsoftは、アクティブプローブを止めることを問題の解決策にしないよう警告しています(参考1)。

表示がおかしいと感じたら、仕組みを止めるのではなく、この記事の順番で原因を確かめるのが安全です。

それでも直らないときとよくある質問

6-1. プロバイダや管理者に伝えるメモを作る

ここまで確かめても直らないときは、ひとりで抱え込まずに、プロバイダや管理者に相談しましょう。

そのとき、次の情報をまとめて伝えると、原因を早く特定してもらいやすくなります。

プロバイダや管理者に相談する前にまとめる5項目として、表示されたメッセージと日時、ほかの端末の結果、ルーターとONUのランプの写真、IPアドレスなどネットワーク設定の3項目、届く範囲を順に確かめた結果を並べた図
このメモがあれば、相談した相手も原因の場所をすぐに絞り込めます。
  1. 表示されたメッセージと、つながらなくなった日時
  2. ほかの端末もつながらないか(2-1の結果)
  3. ルーターやONUのランプの状態(2-2で撮った写真)
  4. ipconfig /allのIPv4アドレス・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバー(3章)
  5. ping・nslookup・Test-NetConnectionの結果(4章)

会社のネットワークでは、管理者がネットワークの通信を記録するパケットキャプチャを取って調べることもあります。

途中の機器が通信を落としている疑いがあるときは、ネットワークの担当チームが経路上の機器を調べるよう案内されています(参考10)。

自宅の回線なら、契約しているプロバイダの障害情報のページもあわせて確かめてみてください。

どの端末で、いつ、どこまで届いたかを具体的に伝えることが、早く解決してもらうコツです。

なお、VPNにつないだときだけ通信できない場合は、VPN側の切り分けが別に必要です。

VPNに接続できない原因と対処法 Study SECの解説記事サムネイル
VPNに接続できない原因と対処法|段階別の切り分け手順を図解VPNに接続できないときの原因と対処法を、回線・VPNサーバーまでの到達・認証・接続後の経路とDNSの4段階で図解します。UDP 500/4500やWindowsのエラー番号、管理者に伝える項目も整理します。...

6-2. よくある質問

Q1. スマホは使えるのに、PCだけ「インターネットなし」になります。

原因はPC側にある可能性が高いので、3章のipconfig /allから確かめましょう。

IPv4アドレスが169.254で始まっていないか、デフォルトゲートウェイとDNSサーバーが入っているかを見ます(参考3・参考7)。

Q2. 「インターネットなし」と出ているのに、Webページは見られます。

NCSIの確認だけがうまくいっていない状態で、会社のプロキシのある環境などで起こることがあります(参考1・参考2)。

パッシブプローブが成功すれば警告は消えるので、少し時間をおいて様子を見ましょう(参考2)。

Q3. ルーターを再起動しても直りません。

再起動の前後のランプの状態を比べ、3章と4章でどこまで届くかを確かめてください。

ほかの端末もつながらず、ルーターまでは届くのに外へ出られないなら、回線やプロバイダの側の問題も考えられます。

Q4. 169.254のアドレスを、手入力で設定し直してもいいですか?

169.254.0.0/16のアドレスは、手入力やDHCPで設定するべきではないと定められています(参考3)。

まずはipconfig /renewで取り直し、必要なら設定を「自動(DHCP)」に戻しましょう。

Q5. ホテルのWi-Fiで、ログイン画面が出てきません。

自分でブラウザーを開いて、何かWebページを表示してみてください。

それでも出ない場合は、施設の案内やスタッフに確かめましょう。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

「インターネットなし」は、Wi-Fiの先のどこかで通信が止まっていることを知らせる表示です。

ほかの端末と比べ、IPアドレス、ルーターまでの到達、名前解決と順番に確かめれば、止まっている場所はきっと見えてきます。

ルーターの役割を基本から知りたい方は、次の記事もどうぞ。

ルーターとは?初心者でも迷わない仕組み・選び方・設定まで完全解説!ルーターとは何かを初心者にも分かりやすく解説。モデム・ONU・ハブとの違い、種類と最新規格、ルーティングやNAT・ファイアウォール・QoSの仕組み、メッシュWi-Fiや接続台数・カバー範囲の考え方、選び方と設置、初期設定の手順、通信が遅い時の対処、寿命と買い替え、レンタルと購入の比較、確実なセキュリティ対策まで網羅。...