外付けHDDをつないでも表示されないときは、接続、電源、ディスクの状態の順に確かめると、原因を絞り込めます。

この記事では、自分でできる切り分けと、データを守るためにやってはいけないこと、復旧業者に相談する目安を図解します。

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この記事は以下のような人におすすめ!

  • 外付けHDDが急にパソコンに表示されなくなった人
  • 大事な写真や仕事のデータを失いたくない人
  • 自分で直すか業者に頼むか迷っている人

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外付けHDDが認識しないときに最初に知っておきたいこと

1-1. 「認識しない」は3つの段階に分けて考える

外付けHDDが急に表示されなくなると、中の写真や仕事のファイルが消えてしまったのではないかと、とても不安になりますよね。

でも、画面に表示されないからといって、データがすぐに消えたとは限りません。

落ち着いて原因を探すために、「認識しない」の状態を3つの段階に分けて考えてみましょう。

次の図は、どこまで認識されているかによって、疑う原因と次に確かめることが変わることを示しています。

外付けHDDが認識しない状態を、ランプや回転音がなく電源が入らない段階、電源は入るがディスクの管理に出ない段階、ディスクの管理には出るがエクスプローラーに出ない段階の3つに分け、それぞれ疑う原因と次に確かめることを示し、異音や落下や水ぬれがあれば2章へ進まず4章へ進むことを添えた図
どの段階で止まっているかを見ると、次に確かめることが決まります。

1つめは、HDDのランプが点かない、回転する音もしないなど、電源が入っていないように見える段階です。

この段階では、ケーブルやACアダプター、USBポートといった、接続と電源の問題をまず疑います。

2つめは、電源は入っているのに、Windowsの「ディスクの管理」という画面にもHDDが出てこない段階です。

Microsoftの資料では、ディスクが見つからない理由は多くあるものの、最も一般的な原因はディスクで障害が起きていることだと説明されています。

3つめは、ディスクの管理には出てくるのに、エクスプローラーにドライブとして表示されない段階です。

この場合は、ドライブ文字(E:のような記号)がない、ディスクがオフラインになっているなど、設定を見直すだけで使えるようになることがあります(参考1)。

段階1と段階2は、HDDのランプが点くか、回転する音や振動があるかで見分けられることが多いです。

どの段階かが分かれば、むやみに操作をくり返さずに、必要な確認だけを進められます。

ただし、図の下に書いたとおり、異音や落下などの兆候があるときは、段階を確かめるためにつなぎ直すことはせず、次の1-2を先に読んでください。

なお、外付けHDDとネットワークにつなぐNASの違いを先に整理しておきたい方は、次の記事も参考にしてください。

ネットワークアタッチトストレージ(NAS)とは?外付けHDDとの違いや活用法を徹底解説!NAS(ネットワークアタッチトストレージ)の基礎知識から選び方、設定方法、活用事例、セキュリティ対策まで徹底解説!「外付けHDDとの違いは?」「家庭用とビジネス用、どのモデルが最適?」など、NASに関する疑問や悩みを解決します。初心者でも簡単に導入・活用できるよう、具体的なポイントをわかりやすく紹介。...

1-2. 作業を始める前に守りたい3つのルール

切り分けを始める前に、データを守るためのルールを3つだけ決めておきましょう。

1つめは、認識しないHDDやそのパソコンで、HDDに新しいファイルを書き込まないことです。

復元ソフトを認識しないHDDに入れたり、取り戻したファイルを同じHDDに保存したりするのも、同じ理由で避けましょう。

2つめは、「初期化」や「フォーマット」を求める画面が出ても、すぐに実行しないことです。

Microsoftの資料でも、初期化はディスク上のすべてのデータを消す操作であり、使用中のディスクなら先にファイルをバックアップするよう注意されています(参考3)。

3つめは、電源の入れ直しや抜き差しを、何度もくり返さないことです。

異音がするなど機械の故障が疑われるHDDでは、通電をくり返すほど状態が悪くなるおそれがあるため、確かめる回数は必要な分だけにとどめます。

とくに、カチカチなどの異音、落とした・水にぬれた、異常に熱い、認識と切断をくり返すといった兆候があり、中に大切なデータがあるなら、2章の切り分けは行いません。

ポートやケーブルの差し替え、電源の入れ直し、別のパソコンでの確認もせずにHDDを取り外し、4章と5章へ進んでください。

この3つを守るだけでも、あとから専門の業者に相談することになったときに、データを取り戻せる可能性を残しやすくなります。

「初期化しますか」「フォーマットする必要があります」と表示されても、中に大切なデータがあるなら[キャンセル]を選び、この記事の手順で状態を確かめてから判断してください。

自分でできる切り分け手順(接続と電源)

2-1. ケーブル・USBポート・ハブを確かめる

ここからは、1-2で挙げた異音や落下などの兆候がない場合の手順です。

まずは、パソコンとHDDをつなぐ道すじに問題がないかを確かめます。

次の図の①〜④の順に、1か所ずつ条件を変えて試すと、原因を見つけやすくなります。

パソコンから外付けHDDまでの接続経路で、USBハブを外して本体に直接つなぐ、別のUSBポートに差し替える、別のケーブルに替える、ACアダプターと電源を確かめるという4つの確認点を番号付きで示した図
1回に変える条件は1つだけにすると、どこが原因かが分かります。

①は、USBハブを使っているならハブをやめて、パソコン本体のUSBポートに直接つなぐことです。

Microsoftの資料によると、USBディスクはポートによって十分な電力を得られないことがあり、この問題はUSBハブで特によく起こります。

②は、パソコンの別のUSBポートに差し替えることで、同じパソコンでもポートによって違いが出ることがあります。

③は、別のケーブルに替えることで、資料ではケーブルは障害がよく起こる部品だとされています(参考1)。

④は、ACアダプターのあるHDDなら、アダプターがしっかり差さっているか、コンセントや電源タップに電気が来ているかを見ることです。

外付けHDDには、USBケーブル1本で電源もとるバスパワー型と、ACアダプターで電源をとるタイプがあります。

バスパワー型はパソコンから電力を受け取るため、ハブやポートの電力不足の影響を受けやすい点を覚えておきましょう。

ケーブルを替えるときは、HDDに付属していたものか、同じ規格のものを使いましょう。

差し込み口にほこりがたまっていないか、コネクターが曲がっていないかも、目で見て確かめておくと安心です。

ノートパソコンでは、電源につないだ状態で試すと、USBポートの電力不足かどうかを切り分けやすくなります。

2-2. 電源の入れ直しと別のパソコンで確かめる

接続を見直しても変わらないときは、パソコンとHDDの電源を入れ直してみます。

Microsoftの資料では、パソコンをシャットダウンし、電源コードのある外付けHDDなら電源を切ってから、パソコンとディスクの電源を入れ直す手順が示されています。

取り外して再接続したあとに、ディスクの管理のメニューから[ディスクの再スキャン]を選ぶ方法も紹介されています。

Windowsの「デバイスマネージャー」で、感嘆符(!)が付いた機器がないかを確かめるのも有効です。

デバイスマネージャーは、[スタート]ボタンを右クリックして表示されるメニューから開けます。

機器を選ぶとその状態が表示され、Microsoftの資料にはデバイスマネージャーのエラーコードの一覧も用意されています。

外付けHDDにあたる機器([ディスク ドライブ]などの下で、感嘆符が付いたもの)をアンインストールしてから[ハードウェア変更のスキャン]を選ぶと、改善する場合があるとされています。

関係のないUSBコントローラーなどを消すと、USB接続のキーボードやマウスが一時的に使えなくなる場合があるので、対象の機器だけを選びましょう。

それでも認識しないときは、HDDを別のパソコンにつないでみましょう。

次の図のように、別のパソコンでも動かなければ、パソコン側ではなくHDD側に問題があると考えられます(参考1)。

同じ外付けHDDを別のパソコンにつなぎ、別のパソコンでは使える場合は元のパソコンのポートやドライバーなどパソコン側を疑い、どちらでも認識しない場合はHDD側の故障を疑うという切り分けを示した図
別のパソコンで試すと、問題がパソコン側かHDD側かを切り分けられます。

別のパソコンで問題なく使えた場合は、元のパソコンのUSBポートやドライバー、設定を疑います。

反対に、どのパソコンでも認識しない場合や、つなぐたびに違う症状が出る場合は、HDDそのものの故障を考える段階です。

ここまでの手順で動くようになったら、まずは大切なファイルを別の場所へコピーしておきましょう。

一度認識しなくなったHDDは、また同じ症状が出るおそれがあるので、使い続ける前にデータを別のドライブやクラウドへ移しておくと安心です。

ディスクの管理でHDDの状態を確かめる

3-1. ディスクの管理の開き方と表示の見方

接続と電源に問題がなさそうなら、Windowsの「ディスクの管理」で、HDDがどう見えているかを確かめます。

Microsoftの資料では、タスクバーの検索ボックスに「コンピューターの管理」と入力し、管理者として実行してから、ディスクの管理を開く方法が案内されています。

次の図は、ディスクの管理の画面で、外付けHDDの行のどこを見ればよいかを示しています。

ディスクの管理の画面の例で、左側にディスク1などの番号とオンラインやオフラインなどのディスクの状態、右側にパーティションごとのドライブ文字、ファイルシステム、正常などの状態が表示され、容量で外付けHDDの行を見分けることを示した図
ディスクの状態と、パーティションの表示の2か所を見ます。

図の左側には、「ディスク1」のようなディスクの番号と、「オンライン」「オフライン」「初期化されていません」などのディスクの状態が表示されます。

右側には、パーティション(ディスクを区切った領域)ごとに、ドライブ文字、ファイルシステムの種類、「正常」などの状態が表示されます。

ディスクが「オンライン」で、パーティションが「正常」と表示されていれば、それは良い兆候だとされています。

容量の数字が自分のHDDと合っているかを見ると、どの行が外付けHDDかを見分けられます。

ディスクの管理に外付けHDDの行が見当たらないときは、2章の接続と電源の確認に戻りましょう。

「EFIシステムパーティション」や「回復パーティション」と表示された領域は、パソコンの起動や回復に必要なものなので、触らないようにしましょう(参考1)。

3-2. 状態別の対処とドライブ文字の割り当て

ディスクの管理での表示ごとに、自分で試してよい操作と、データを残したいなら避ける操作をまとめます。

ディスクの管理の表示ごとに、オフラインならオンラインを選ぶ、ドライブ文字がないなら文字を追加する、RAWや未割り当てや初期化されていませんの場合はデータを残したいならフォーマットや初期化や新しいボリュームを選ばないという、試してよい操作と避ける操作を並べた図
「データを残したいときは選ばない操作」をはっきり分けておきます。

「オフライン」と表示されている場合は、ディスクを右クリックして[オンライン]を選びます。

パーティションにファイルシステムはあるのにドライブ文字がない場合は、ドライブ文字を手動で追加します。

一方、ファイルシステムが「RAW」と表示される場合に、Microsoftの資料が[フォーマット]を案内しているのは、ディスクが空だと分かっているときだけです。

フォーマットするとディスク上のすべてのデータが消えるため、ファイルを取り戻したいなら、この操作はしないよう明記されています。

「未割り当て」と表示される場合の[新しいシンプル ボリューム]も同じで、ファイルを取り戻したいときは実行しないよう注意されています。

「初期化されていません」と表示される場合は、ディスク署名がない、フォーマットが壊れている、ハードウェアに問題があるといった原因が考えられます(参考1)。

ドライブ文字を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. ディスクの管理で、外付けHDDのボリュームを右クリックする
  2. [ドライブ文字とパスの変更]を選ぶ
  3. 文字がないときは[追加]、変えたいときは[変更]を選ぶ
  4. [次のドライブ文字を割り当てる]で文字を選び、[OK]を押す

ドライブ文字を割り当てたら、エクスプローラーを開き直して、HDDが表示されるかを確かめます。

この操作には、AdministratorsまたはBackup Operatorsのグループに入っているアカウントが必要です。

なお、Windowsやアプリが入っているドライブの文字を変えると、アプリが正しく動かなくなることがあるため、変えるのは外付けHDDの文字だけにしましょう。

[ドライブ文字とパスの変更]が選べない(灰色の)ときは、未割り当てで初期化が必要な状態か、EFIシステムや回復のパーティションか、権限が足りない可能性があります(参考2)。

3-3. Macではディスクユーティリティで確かめる

Macを使っている場合は、「ディスクユーティリティ」でHDDが見えているかを確かめます。

ディスクユーティリティは、Finderの[アプリケーション]→[ユーティリティ]→[ディスクユーティリティ]の順に開くか、Spotlightで「ディスクユーティリティ」と検索して開けます。

開いたら、[表示]メニューで[すべてのデバイスを表示]を選ぶと、ボリュームだけでなくストレージデバイスそのものも一覧に出ます。

HDDが一覧にあり、エラーが心配なときは、「First Aid」という機能で確認と修復を試せます。

ただし、First Aidは修復のためにディスクへ書き込みを行うことがあるので、中に大切なデータがあるときは、実行する前に次の2点を確かめてください。

1つめに、HDDが一覧に出てファイルを開けるなら、First Aidの前に、まず大切なファイルを別のドライブへコピーします。

2つめに、1-2で触れた兆候(異音・落下・水ぬれ・認識と切断のくり返し)があるときは、First Aidも実行せずに、4章と5章へ進みます。

ただし、ディスクユーティリティでも、ディスクで起こるすべての問題を見つけたり直したりできるわけではありません。

次の図のように、First Aidは、ボリューム、コンテナ、ストレージデバイスの順に、それぞれ実行するよう案内されています。

MacのFirst Aidを実行する前に大切なファイルを別のドライブへコピーし、異音などの兆候があれば実行しないことを示したうえで、ボリューム、コンテナ、ストレージデバイスの順に実行し、修復できない場合はコピー済みなら再実行、未コピーなら4章と5章へ進む流れを示した図
First Aidは「小さい単位から大きい単位へ」の順に実行します。

ディスクに問題がない、または修復されたと表示されれば、確認は終わりです。

修復できない、またはFirst Aidが失敗したと表示される場合は、もう一度修復を試し、それでも直らなければ、できる限りデータをバックアップするよう案内されています。

この「もう一度修復を試す」は、大切なファイルのコピーを済ませたあとか、データが消えても困らない場合の手順です。

まだコピーできていない大切なデータがあるなら、4-2のとおり修復をくり返さず、5章の判断基準に進んでください。

問題が続く場合や修復できない場合は、ディスクが物理的に壊れている可能性もあると説明されています。

なお、Macの起動ディスクを確かめるときは、macOS復旧からディスクユーティリティを開くよう案内されています。

ディスクにもうすぐ障害が起きるという警告が出た場合は、そのディスクは修復できないため、データをバックアップして交換するよう書かれています(参考5)。

Macの基本的な操作をおさらいしたい方は、Mac OSの入門ガイドも参考にしてください。

物理障害の兆候と、やってはいけないこと

4-1. 論理障害と物理障害の違いと、危ない兆候

HDDの故障は、大きく「論理障害」と「物理障害」の2つに分けて考えられます。

論理障害は、ファイルシステムやパーティションの情報が壊れて読めなくなる状態で、HDDの部品そのものは動いています。

物理障害は、データを読み書きするヘッドや、データを記録する円盤(プラッター)、基板などの部品が壊れた状態です。

次の図は、2つの障害の違いと、物理障害を疑うときの主な兆候を並べたものです。

ファイルシステムの情報が壊れる論理障害と、ヘッドや円盤や基板が壊れる物理障害を左右に並べ、物理障害を疑う兆候として普段と違う音、認識と切断のくり返し、落下や水ぬれのあと、読み取り不可の表示を挙げた図
物理障害が疑われるときは、自分で修復を試すより相談を優先します。

物理障害を疑う一般的な目安には、カチカチ・カタカタといった普段と違う音がする、認識と切断をくり返す、異常に熱くなる、などがあります。

落とした、水にぬれた、停電のあとから認識しなくなったといった経緯がある場合も、部品の故障を疑います。

ディスクの管理で「読み取り不可」と表示される場合、Microsoftの資料はハードウェアの障害や破損、I/Oエラー(読み書きの失敗)の可能性を挙げています。

同じ資料では、読み取り不可のディスクは障害が起きていて、回復できないこともあると説明されています。

ただし、ディスクが回り始める途中や、ディスクの管理が再スキャンしている途中にも、一時的に「読み取り不可」と表示されることがあります。

その場合は、再スキャンや再起動のあとに表示が変わるかを確かめます。

3-2で触れたとおり「初期化されていません」はハードウェアの問題でも出ることがあり、RAWの表示も部品の故障が原因のことがあるため、表示だけでは論理障害か物理障害かを見分けられません。

HDDは円盤を回し、ヘッドを動かしてデータを読み取る機械なので、読み取りのたびに部品が物理的に動きます(参考1・参考4)。

電子部品だけで記録するSSDとの違いを知りたい方は、次の記事で詳しく解説しています。

SSD NVMeとは?SATAとの違いを比較!選び方とおすすめモデルを徹底解説 「SSD NVMeって本当に速いの?」「SATA SSDと何が違う?」「どれを選べばいいの?」ーーこんな疑問を持っていませんか? ...

4-2. データを失わないためにやってはいけない5つのこと

大切なデータが入っているHDDほど、焦っていろいろな操作を試したくなりますが、操作によってはデータを取り戻せる可能性を下げてしまいます。

次の図の5つは、データを残したいときに避けたい代表的な操作です。

データを残したいときに避けたい5つの操作として、通電や抜き差しのくり返し、初期化やフォーマット、修復ツールのくり返し、復元ソフトのくり返しと同じHDDへの保存、ケースを開けての分解を、それぞれの理由とともに並べた図
どれも「データを残したい」ときに避けたい操作です。

1つめは、通電や抜き差しをくり返すことで、物理障害が疑われるHDDでは状態を悪くするおそれがあります。

2つめは、初期化やフォーマット、新しいボリュームの作成で、いずれもディスク上のデータを消す、または上書きするおそれのある操作です。

3つめは、エラーチェックや修復のツールを何度も実行することです。

Windowsのchkdskというツールでは、/rを付けて実行すると不良セクター(読めなくなった区画)を探すために全セクターを確かめるため、大容量のHDDではかなりの時間がかかると説明されています。

FATファイルシステムでは、修復によってデータが失われることがあるとも書かれているため、大切なデータがあるなら、修復より先にデータの確保を考えます。

4つめは、復元ソフトをくり返し使ったり、取り戻したファイルを同じHDDに保存したりすることです。

復元したファイルを同じHDDに書き込むと、まだ取り戻していないデータの場所を上書きしてしまうおそれがあります。

5つめは、自分でHDDのケースを開けて分解することです。

内部の円盤やヘッドはとても精密で、ほこりや指紋が付くだけでも読み取りに影響するおそれがあるため、分解は専門の設備を持つ業者に任せましょう。

どの操作も、データが消えても困らないHDDなら試してかまいませんが、大切なデータがあるなら、先にデータの確保を優先してください。

Microsoftの資料も、障害が発生したディスクを直すためにできることは限られているとしています(参考1・参考3・参考4)。

異音がする、落とした、水にぬれたといった場合は、電源を入れ直さずにHDDを取り外し、そのままの状態で保管しておくのがおすすめです。

データ復旧業者に相談する判断基準と準備

5-1. 自分で続けるか、業者に相談するかの判断基準

ここまでの手順を試しても認識しない場合、次に考えたいのは「このまま自分で続けるか、専門の業者に相談するか」です。

判断のポイントは、データの大切さと、物理障害の兆候があるかどうかの2つです。

中のデータが大切かどうか、異音や認識と切断のくり返しなど物理障害の兆候があるかどうか、切り分けで直ったかどうかの3つの質問で、買い替えや自分での対処を続けるか、電源を切ってデータ復旧業者に相談するかを決める判断の流れを示した図
大切なデータがあり、物理障害の兆候があるなら、それ以上触らずに相談します。

データが消えても困らないHDDなら、ここまでの切り分けを試し、直らなければ買い替えを考えるのも1つの方法です。

一方で、二度と撮り直せない写真や、仕事の大切なファイルが入っているなら、自分で試す操作は図の範囲までにとどめましょう。

自分で操作を続けると、気づかないうちにデータを上書きしたり故障を進めたりして、業者でも取り戻しにくくなることがあります。

データ復旧の業者は、専用の設備を使ってHDDの状態を調べたうえでデータの取り出しを試みるため、自分では手の出せない障害にも対応できる場合があります。

Microsoftの資料でも、ファイルが本当に重要な場合は、料金を払ってデータ回復の専門の機関に回復を依頼できると紹介されています(参考1)。

依頼するかどうかは、症状を伝えて見積もりや対応の内容を聞いてから決めても遅くはありません。

相談先の1つに、データ復旧サービスの「デジタルデータリカバリー」があります。

広告主の案内では、外付けHDDのほか、パソコン、NAS、サーバー、USBメモリ、スマートフォンなどのデータ復旧に対応しているとされています。

こんな方は相談がおすすめ

  • 異音がする、または認識と切断をくり返している
  • 落とした・水にぬれたあとから認識しない
  • 初期化を求められたが、中のデータは消したくない
  • 仕事の書類や家族の写真など、替えのきかないデータが入っている

▶ 相談の流れと対応機器を公式サイトで見る

5-2. 自分で対処・メーカー修理・データ復旧業者の違い

相談先を選ぶ前に、それぞれの方法で「何が目的か」を整理しておくと、迷わずに済みます。

方法主な目的向いている場面気をつけたい点
自分で対処接続や設定の問題を直す電源が入り、ディスクの管理に表示される初期化やフォーマットなど、データを消す操作をしない
メーカー・販売店の修理や保証HDDそのものを直す、交換するデータが不要、またはバックアップがあるデータの扱いは、依頼前に保証書や修理の案内で確かめる
データ復旧業者中のデータを取り出すデータが大切で、物理障害の兆候がある費用や期間は症状で変わるため、見積もりの内容を確かめる

大切なのは、「HDDを直すこと」と「データを取り戻すこと」は、別の目的だという点です。

修理や交換でHDDが使えるようになっても、中のデータが戻るとは限らないため、データが目的なら最初からデータ復旧の相談先を選ぶのが近道です。

どの方法がよいかはHDDの状態や予算によって変わるので、表を目安に、自分の目的に合う相談先を選びましょう。

データ復旧の費用は、障害の種類やHDDの容量によって大きく変わることが一般的です。

費用や期間、対応している症状も、相談する前に公式サイトの最新の案内で確かめておくと安心です。

▶ デジタルデータリカバリーの対応機器と相談方法を確かめる

5-3. 相談する前に準備しておくこと

業者に相談すると決めたら、症状を正確に伝えられるように、次の情報をまとめておきましょう。

データ復旧業者に相談する前に、HDDのメーカーと型番と容量、いつからどんな症状か、症状が出る前後にしたこと、自分で試した操作、取り戻したいファイルの優先順位の5つをメモし、HDDは電源を切って衝撃を与えないように保管することを示した図
症状と経緯をメモしておくと、相談がスムーズに進みます。

1つめは、HDDのメーカーと型番、容量で、本体のラベルや購入時の箱で確かめられます。

2つめは、いつから、どんな症状が出ているかで、異音の有無や、ディスクの管理での表示もメモしておきます。

3つめは、症状が出る前後にしたことで、落とした、停電があった、初期化の画面が出たなどの経緯を伝えます。

4つめは、自分で試した操作で、修復ツールや復元ソフトを使ったなら、その名前と回数も伝えましょう。

5つめは、とくに取り戻したいフォルダーやファイルの種類で、優先順位を伝えると、作業の範囲を決めやすくなります。

HDDは電源を切って取り外し、衝撃を与えないように箱や緩衝材に入れて保管しておきます。

症状を確かめ直すためだけに、相談の前にHDDを何度もつなぎ直すのは避けましょう。

仕事のデータの場合は、社内の情報管理のルールに従い、外部の業者へ預けてよいかを、上司や担当部署に確かめておくことも大切です。

複数のディスクを組み合わせて使うRAIDのNASやサーバーで障害が起きた場合は、ディスクを抜き差ししたり順番を入れ替えたりせず、構成が分かる情報も一緒に伝えましょう。

RAIDとは?初心者向けに仕組み・種類・メリットを徹底解説! 「RAIDって聞いたことはあるけど、結局どれを選べばいいの?」「RAID 0、RAID 1、RAID 5…違いが多すぎて分からない!」...

よくある質問とまとめ

6-1. よくある質問

Q1. 外付けHDDが認識しないとき、最初に何をすればよいですか?

異音や落下・水ぬれなどの兆候がなければ、USBハブを外してパソコン本体のポートに直接つなぎ、別のポートやケーブルを試し、ACアダプターのあるHDDなら電源も確かめます。

Q2. 「フォーマットする必要があります」と表示されたらどうすればよいですか?

フォーマットするとディスク上のデータがすべて消えるため、中に大切なデータがあるなら[キャンセル]を選び、ディスクの管理で状態を確かめるか、データ復旧の相談を検討します。

Q3. ディスクの管理には表示されるのに、エクスプローラーに出ないのはなぜですか?

ドライブ文字が割り当てられていない、ディスクがオフラインになっているなどの原因が考えられ、ドライブ文字の追加やオンラインへの切り替えで表示されることがあります。

Q4. カチカチと音がするHDDは自分で直せますか?

異音は物理障害の兆候のことがあり、通電を続けると悪化するおそれがあるため、大切なデータがあるなら電源を切って、データ復旧の業者に相談することをおすすめします。

Q5. データ復旧業者にはいつ相談すればよいですか?

大切なデータが入っていて、異音や認識と切断のくり返しなどの兆候がある場合や、切り分けを試しても直らない場合は、それ以上の操作をせずに早めに相談するのがおすすめです。

大切なデータを取り戻したい方へ

自分で試せる手順で直らないときは、HDDにこれ以上の負担をかける前に、データ復旧の専門業者へ相談すると安心です。

▶ デジタルデータリカバリーの相談の流れを公式サイトで見る

6-2. まとめ

外付けHDDが認識しないときは、どの段階で止まっているかを見たら、まず異音や落下などの危ない兆候がないかを確かめます。

兆候がなければ接続、電源、ディスクの状態の順に確かめ、兆候があればそれ以上触らずに相談へ進みます。

外付けHDDが認識しないときの全体の流れとして、段階の確認、危ない兆候の確認、兆候がないときだけ接続と電源の確認、ディスクの状態の確認、データ復旧業者への相談、定期的なバックアップを並べ、兆候があれば接続の確認をせずに相談へ進むことを示した図
切り分けから相談、復旧後のバックアップまでの流れです。

ディスクの管理では、オフラインやドライブ文字がない状態なら、自分で直せることがあります。

一方で、初期化やフォーマットはデータを消す操作なので、大切なデータがあるなら実行しないでください。

異音や認識と切断のくり返しなど、物理障害の兆候があるときは、電源を切り、自分での修復をやめて、データ復旧の業者に相談しましょう。

無事にデータを取り戻したら、同じことで困らないように、別のドライブやクラウドへの定期的なバックアップを始めることが大切です。

Microsoftの資料も、ディスクの障害はよく起こるものなので、大切なファイルは定期的にバックアップするよう勧めています(参考1)。

バックアップ用の外付けHDDをパソコンにつなぎっぱなしにしていると、パソコンと同時に被害を受けるおそれもあるため、使うとき以外は外しておくと安心です。

たとえばランサムウェアは、パソコンに保存されたファイルを暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正プログラムです(参考6)。

災害や障害に備えたデータの守り方は、次の記事も参考になります。

ディザスタリカバリとは?企業の事業継続を守る最新のクラウド活用法と導入事例「災害やサイバー攻撃でシステムが停止したら、あなたの会社はどれくらいで復旧できますか?」 ディザスタリカバリ(DR)は、企業の事業継続に不可欠ですが、 「何をどこまで対策すればよいのか」 と悩む方も多いはず。本記事では、 DRの基本・最新のクラウド活用法・成功事例・低コストで導入する方法を徹底解説します!...

まずは、手もとのHDDのランプと音、ディスクの管理での表示を確かめるところから始めてみてください。